(天理教の時間)
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第1280回2024年5月3日配信

そこにある幸せ

山本達則先生 IMG_1557
山本 達則

文:山本 達則

第1118回

家族力の大切さ

家族だからと甘えることなく、思いやりと感謝の心を持って接すること。それが「家族力」を活性化させる。

神様からの宿題 -家族力の大切さ-
 (「人間いきいき通信」 2002年10月号より)

 

最近、ニュースを見ていると、家族同士が絡んだ事件の多さに驚く。
「親が子を―」「子が親を―」だけではなく、「夫が妻を―」「妻が夫を―」「嫁が姑を―」「姑が嫁を―」などなど、いったい世の中どうなっているんだと問いかけたくなるような出来事が巷にあふれている。

「親ならばこれくらいは分かっているはず」
「夫婦ならば当然このくらいは」
といった、昔なら当たり前とされた家族の常識は、いまや通用しなくなっているようだ。
その原因は、世の中の変化にあることも確かだが、家族というものがもともと持っているはずの自己治癒力や再生力が弱まり、その結果、家族間にさまざまな歪(ひず)みが生まれてきたことにもあるのではないだろうか。

家族という組み合わせが持つ力は不思議なもので、プラスに働くときとマイナスに働くときで、まったく違う結果を生み出す。

たとえば、誰かが病気になったり、問題を起こしたりしたときにマイナスに働くと、取り返しのつかないほどに互いの心をすれ違わせることが少なくない。お互いへの思いが強く、心の距離が取りにくい間柄ゆえに、心の糸がひとたび絡み合うと容易にはほどけなくなり、夫婦、親子の問題が、二代、三代にわたる〝家族の宿題〟として残されていくことにもなりやすい。

しかしプラスに働くとき、それらの問題は、家族間のアンバランスを壊して、家族が持つパワー、「家族力」を再生、活性化させ、家族の成長を促す大きなチャンスとなる。

「家族力」が順調に働けば、喜びや楽しみは二倍、三倍に膨らみ、悲しみや苦しみは何分の一にもしぼんでいくものだ。そうなるためには、一人ひとりが自分中心の考え方にとらわれず、ほかの人に思いやりと感謝の心を持って接するよう心がけていくことが大切だと思う。

「夫婦なんだから」「親子なんだから」と互いに都合よく甘えることなく、しっかりと相手の個性を認め、たまには譲り合い、頭を下げ合うくらいの覚悟を持って付き合っていくことだ。それが心と心の適正距離をつくっていくのだと思う。

家族の組み合わせは星の数ほど存在する。それらはいずれも、神様が配置された絶妙のものだ。

自分たちに与えられた組み合わせを生かして、どう家族を創り続けていくのか、お互いの個性をどのように重ね合わせて、どんなハーモニーを奏でていくのか、これもまた神様から与えられた宿題である。

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