第1313回2024年12月20日配信
鉋屑の紐
鉋屑は一般には廃棄物である。しかし教祖はそれを見事に再利用され、「もの」の存在価値をお示し下さった。
鉋屑の紐
一般に鉋屑とは、材木などを鉋で削ったときに出てくる屑のことで、文字通り、捨てられて燃やされる廃棄物と考えられています。
教祖の逸話篇の中に、「鉋屑の紐」というお話があります。
明治十六年のこと、梶本ひささんは夜ごと、教祖から裁縫を教えて頂いていました。ある夜、一寸角ほどの小さな布の切れ端を縫い合わせて袋を作ることを教えて頂き、それが何とか出来上がったのですが、さて、袋に通す紐がありません。
「どうしようか」と思っていると、教祖が「おひさや、あの鉋屑を取っておいで」と仰せられたので、それを拾ってくると、教祖はさっそく器用に三つ組の紐に編んで、袋の口に通して下さいました。
教祖は、このような巾着を持って、親戚の梶本の家へちょいちょいお越しになりました。その度に、家の子にも近所の子にも、お菓子を袋に入れて持って来て下さいました。
教祖は、捨てられる運命にあった鉋屑や布の切れ端を、使い勝手のいい紐や袋に仕立て上げ、見事に再利用されたのです。「もの」の存在価値と、それらを使い切ることの大切さを、何気ない日常の中でお示し下されています。
また、このような逸話もあります。警察や監獄署に十数度拘留された教祖ですが、そのうち数回は、仲田儀三郎さんがお伴をされました。
教祖は拘留中のある時、差し入れられて不要になった紙でコヨリを作り、それで一升瓶を入れる網袋をお作りになりました。それは実に丈夫に作られた袋で、教祖は、監獄署からお帰りの際、それを儀三郎さんにお与えになり、次のように仰せられました。
「物は大切にしなされや。生かして使いなされや。すべてが、神様からのお与えものやで。さあ、家の宝にしときなされ」。(教祖殿逸話篇138「物は大切に」)
この二つの逸話で示されている「ものを大切に生かして使う」ことは、私たちが日常でお手本とするべき、実に尊い「ひながた」です。教祖の「すべてが、神様からのお与えものやで」とのお言葉が、心に深く刻み込まれます。
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