(天理教の時間)
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第1406回2026年10月2日配信

9年目のランドセル

yamasaki
山﨑 石根

文:山﨑 石根

第1385回

人類の母親

教祖の無限の優しさと親心には、誰もが一瞬にして魂を奪われた。そして時には厳しく理をお諭しになることも。

人類の母親

 

天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、どんな人にも無限のやさしさと温かさで接せられました。教祖に一度でもお会いした人は、誰もが言葉に言い表せないほどの温かい親心を感じ、そして誰もが一瞬にして魂を奪われたといいます。

人類の親としての教祖のお心は、子供可愛い一条であられます。早く難儀な人をたすけてやりたい。その限りなく深い親心に、人々はまるで磁石に引き付けられるように、教祖のお屋敷を再々訪ねて行きました。そして、穏やかに接するばかりでなく、時に厳しく天の理をお諭しになりましたが、そのような時には一転して近寄り難く、恐れ多い偉大な存在であられました。

教祖の道すがらを記した『教祖伝』には、このように記述されています。

お声は、平生は優しかったが、刻限刻限に親心を伝えられる時には、響き渡るような凛とした威厳のある声で、あれが年寄った方の声か、と思う程であった。

教祖は、子供に対しても、頗る丁寧に、柔らか優しく仰せられたというが、その優しいお言葉に、ひながたの親としての面影を偲び、刻限刻限に親神の思召を伝えられた。神々しくも厳かなお声に、月日のやしろとしての理を拝する。厳しく理を諭し、優しく情に育んで、人々を導かれた足跡に、教祖の親心を仰ぐ。

さて、明治十九年、教祖は八十九歳の時、櫟本分署へ十二日間拘留されました。深夜に及ぶ厳しい取り調べを受けられましたが、そんな中でも、目の前に菓子売りが通ると、退屈して居眠りをしている見張りの巡査に、その菓子を買ってあげたいと仰せになりました。

また、拘留中にも、刻限刻限にはお言葉がありました。お言葉が始まりかけると、巡査が付き添っている孫の梶本ひささんに、「これ、娘」と注意をし、ひささんが「おばあさん、おばあさん」と止めようとした途端、響き渡るような凛としたお声で、「この所に、おばあさんは居らん。我は天の将軍なり」と仰せられました。

その語調は、全く普段の優しさからは思い及ばぬ威厳に満ちており、ひささんは、畏敬の念に身が慄えたといいます。(第八章「親心」)

教祖は、人類の母親として、広く深い親心をもって、私たち人間の成人をお見守り下される、温かく親しみやすい存在であられるとともに、時に恐れ多くも近づき難い、圧倒的なエネルギーに満ちた存在であられたのです。

この優しさと厳しさ、二つ一つの両面のひながたに、元の神・実の神の地上の現われとしての教祖の存在が実感されるのです。

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