第1248回2023年9月22日配信
この世とあの世
「あの世」と言われる死後の世界について、天理教では言及されているのか。お言葉をひもとき、考える。
この世とあの世
一般に私たちの持つ宗教的な世界観においては、二つの世界があるとされています。一つは川のこちら岸にある「この世」、すなわち此岸の世界であり、もう一つは「あの世」、彼岸と呼ばれる世界です。
この世は現実の人間の住む世界で、あの世は、この世とは別のところにある死者の住む世界である。さらには、この現実は仮の世であって、永遠に続く理想世界は死後の世界にこそ求められるとする見方もあります。
これらは、二つの世界が別々に存在するという観点に立つものです。問題は、果たして人間の世界が、この世とあの世に分けられるのか、ということです。これは信仰の領域で考えられるべきことですが、現実に身体(しんたい)を伴った人間の住む世界に関しては、この世界をおいては他に認められないと、一般的には言うことができるでしょう。
そういう意味では、あの世とは霊的な世界だと考えられます。もちろん、そこで現実の人間が生活しているかのように想像することは可能ですが、実際にそうであるかは、信仰の問題として理解せざるを得ないのです。
天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、
「ここはこのよのごくらくや わしもはや/\まゐりたい」(「みかぐらうた」四下り目 9)
と示されています。これは、親神様が人間を造られた場所である元のぢばこそが、この世界の極楽であることを教えられているもので、極楽という世界があの世、彼岸にあるのではなく、あくまでこの世界にあることを明らかにされたお言葉です。
さらには、
「さあ/\人間というは一代と思うたら違う。生まれ更わりあるで」(「おさしづ」M39・3・28)
「世の処何遍も生れ更わり出更わり、心通り皆映してある」(「おさしづ」M21・1・8)
とあるように、人間は一代限りではなく、親神様のご守護によって、この世に何遍も生まれ更わってくると教えられています。
人間は死んだ後、あの世に行くのではなく、魂は一時、親神様の元に預けられ、時を経て、再び新しい身体をお借りしてこの世に生まれ更わってくる。私たち人間にとっては、今ここに生きている世界こそ、親神様のお働きに満ち満ちた唯一の世界だと言えるのです。
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