(天理教の時間)
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第1278回2024年4月19日配信

東京スカイツリーから、こんにちは ~母と子の絆は永遠です~

吉永先生
吉永 道子

文:吉永 道子

第1186回

ある少年の夏休み

初めて「こどもおぢばがえり」に参加する予定の少年。出発直前に体調を崩したが、どうしても行くのだと諦めない。

おさしづ春秋 『ある少年の夏休み』

 

多くの中不思議やなあ、不思議やなあと言うは、何処から見ても不思議が神である

(M37・4・3)

和歌山市在住の小学一年のその少年は、初めてこどもおぢばがえりに参加することになっていた。ところが、出発の前日から下痢をともなう腹痛と微熱が治まらない。そんな状態なのに本人はどうしても行くのだと諦めない。

じつは、手まわし良く、夏休みの宿題の絵日記に、まだ行ってもいないこどもおぢばがえりのことを描いてしまったのである。行かなければウソになる。どうして行ったこともないおぢばがえりの絵が描けたのかというと、勧誘にもらった『リトルマガジン』のおぢばがえり特集の写真を何度も見ては夢見ていたからである。

そこまでいうのなら、と父親が大急ぎで団参の集合する駅まで車をとばしたが、列車には間に合わなかった。少年が頻繁にトイレにいくので家を出遅れた。

両親はまったくの未信者であったが、この事態に何を思ったのか、その日、たまたま他のレジャーのために休暇をとっていた父親が、母親と幼児、つまり家族みんなを車に乗せて少年をおぢばに送り届けるということになった。まるでドタバタ喜劇のようだが、結果として、その家族は、揃っておぢばへ帰らせていただいた。

時おり、成ってくる、その成りゆきの中に、不思議という空気が漂うことがある。その日、少年は団参に合流し、楽しくて、嬉しくて、絵日記と同じおぢばの一日を過ごした。翌朝、目がさめると、あの腹痛は消えていた。

かけがえのない体験を胸に刻んだ少年の不思議な夏休みである。

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