(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1174回

無いときこそ有るとき

日々のご守護に気づかなければ、本当にこの教えが分かったとは言えない。神様はそう戒められる。

おさしづ春秋『無いときこそ有るとき』

 

皆成程の理が分かれども、日々の理が分からねば、どうもならん/\/\。(M22・417)

 

花粉症の季節もようやく峠を越したようだが、先日、ある六十代の男性が、いよいよ私も花粉症になったらしいと辛そうに鼻をひっきりなしにかみながら、それでもいそいそと御用に励んでおられた。

そんなある夜、原因不明の鼻血が洗面器で受けるほど大量に出て止まらなくなった。家族はあわて何か重大な病気に違いないとうろたえたが、病の平癒を願うおさづけを取り次いでいただき、しばらくして鼻血は止まった。

検査の結果、医師の「あなたは運のいい人です。もし、鼻血が出ていなければ、急激に高くなった血圧に、まちがいなく頭の中で出血していたでしょう。脳出血です。それが鼻血になったのは、おそらく花粉症の鼻をかみすぎて鼻の粘膜が薄くなってしまっていたからでしょう」との意外な診断に胸をなでおろした。

まるで神様が大難を小難に導かれるご守護の不思議さを説明してくだされたようで、お守りいただいていることが身にしみたという。周囲からすれば望まぬ病気に過ぎなくとも、本人にとっては、しみじみとお慈悲を噛みしめずにはいられない出来事であった。

何事も無く平穏無事なときこそ、神様の十全のご守護を一つとして欠けることなく戴いているときであって、何事も無いときこそ、すべて有るときなのである。教えの素晴らしさが分かったといっても、日々いただいているご守護に気づかなければ、本当に分かったとはいえないと、おさしづは戒められる。

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