(天理教の時間)
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第1405回2026年9月25日配信

伝えたい思いがある

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関根 健一

文:関根 健一

第1224回

天の定規

世間の常識で正しいと思われることでも、「天の定規」に当ててみるとズレがあると教えられる。教祖の逸話から。

天の定規

 

天理教教祖・中山みき様「おやさま」をめぐって、こんな逸話が残されています。

教祖はある日、大工の飯降伊蔵さんに、「伊蔵さん、山から木を一本切って来て、真っ直ぐな柱を作ってみて下され」と仰せになりました。伊蔵さんが早速、真っ直ぐな柱を作ると、教祖は、「伊蔵さん、一度定規にあててみて下され」と仰せられ、続いて、「隙がありませんか」と尋ねられました。

伊蔵さんが定規にあててみると、やはり隙間があります。その旨を答えると、教祖は、「その通り、世界の人が皆、真っ直ぐやと思うている事でも、天の定規にあてたら、皆、狂いがありますのやで」と教えてくださいました。(教祖伝逸話篇31「天の定規」)

大工である伊蔵さんにとって、定規は大切な仕事道具の一つです。それが狂っていては仕事になりません。伊蔵さん愛用の定規を当てて作った柱は、人の目からすれば真っ直ぐに見えたに違いないのです。しかし教祖は、「天の定規にあてたら、皆、狂いがありますのやで」とお諭しになりました。

ここで教祖が仰せられたのは、私たちが世間の常識や社会通念、いわば「世間の定規」で真っ直ぐだと思っていること、正しいと考えていることでも、天の定規、すなわち神様の教えに照らしてみればズレがあるということです。

例えば、教祖は、商売を営む人に対しては、「高う買うて、安う売るのやで」(教祖伝逸話篇165「高う買うて」)と再三教えられました。これを聞いた当人たちは、その意味が理解できず、「そんな事をすると、損をして商売にならない」と、初めは納得できませんでした。世間の常識に従えば、問屋から品物を安く仕入れてお客さんに高く売る。そうして、その利ざやを稼ぐのが商売の常道です。

それに対して、教祖は「天の定規」に基づいた商売のあり方を仰せられたのです。問屋からは比較的高く仕入れ、お客さんには出来るだけ安く売る。そして、自らは少ない儲けに満足して通る。これが、自他共に栄える商いの道である、というわけです。

天の定規に照らし合わせれば、世間では通りにくいことや、人から嘲笑されるようなこともままあるでしょう。そんな中でも、常に天の定規に添うよう自らの行動を律することが、長い目でみれば陽気ぐらしへの近道であることを、心したいと思います。

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