(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1189回

神の引き寄せ

信仰の始まりは皆、神様からのお引き寄せである。それに関する二つの逸話を味わう。

神の引き寄せ

 

神様の御用に携わり、おたすけに励む者を「よふぼく」と呼んでいますが、『天理教教典』には、次のように記されています。


「親神は、一れつたすけの切なる思わくから、多くのよふぼくを引き寄せようと急き込まれる」
(第九章 よふぼく)

信仰の始まりは、神様のお引き寄せである。自分の意思で信仰を始めたと思っていても、実はそこに神様の深い思わくがあるのだと示されています。

天理教教祖・中山みき様「おやさま」の、次のような逸話が残されています。


文久四年のこと。山中忠七さんの妻・そのさんは、二年越しの痔の病が悪化して危篤の状態となり、医者からも匙を投げられてしまいました。近所の知り合いに勧められ、忠七さんが教祖にお目通りすると、次のようなお言葉がありました。

「おまえは、神に深きいんねんあるを以て、神が引き寄せたのである程に。病気は案じる事は要らん。直ぐ救けてやる程に。その代わり、おまえは、神の御用を聞かんならんで」

そのさんの鮮やかなご守護を目の当たりにした忠七さんは、熱心に信仰するようになりました。(教祖伝逸話篇11「神が引き寄せた」)

 

また、明治七年、岡田与之助さんが十八才の時、腕の痛みが激しくなり、あちこちの医者に診てもらっても一向に良くならず、昼も夜も寝たきりで苦しんでいました。

かねてから教祖のうわさを聞いていた与之助さんは、この時初めてお屋敷へ帰らせて頂きました。

教祖にお目通りすると、「与之助さん、よう帰って来たなあ」とお言葉を頂くとともに、腕の痛みはピタッと治まりました。

ところが、家へ戻るとまた腕が痛みだしたので、夜の明けるのを待ちかねて、再びお屋敷へ帰らせて頂くと、不思議にも痛みは治まったのです。

こんなことが繰り返されて、三年間というものは、ほとんど毎日のようにお屋敷へ通いました。

そのうちに教祖が、「与之助さん、ここに居いや」と仰せくださったので、お屋敷に寝泊まりして、用事を手伝わせてもらうようになりました。そうしないと、腕の痛みが治まらなかったのです。

こうして与之助さんは、神様のお引き寄せにより、お屋敷の御用を勤めさせていただくようになりました。(教祖伝逸話篇40「ここに居いや」)

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