第1136回2021年7月24日・25日放送
勇んだ心
農事にたとえた教えの中にも生きるヒントが。人々の心が勇めば、神様は進んでご守護をくださる。
勇んだ心
天理教教祖・中山みき様「おやさま」直筆による「おふでさき」に、
だん/\と心いさんでくるならバ
せかいよのなかところはんじよ(一 9)
とあります。
ここに見られる「よのなか」という言葉は、「よんなか」とも呼ばれる方言で、作物の実りが豊かなこと、すなわち豊作を意味します。
それを踏まえて、このお歌の意味を考えてみます。
「神が世界中の人間を勇ませようとして働けば、次第に人々の心が勇み、皆の心が明るく勇んでくれば、その勇んだ心に乗って、神の方からも進んで豊かな恵みを与えることになる。そうすれば、世界中は実り豊かに、至るところで繁栄の喜びを見るようになるだろう」
明治に入って間もなく書かれたこのお歌は、当時の人々が理解しやすいように、農事にたとえられています。ここで何より大切なのは、私たちの心が「勇む」ということです。勇むとは、奮い立つ、勇気が湧くという意味ですが、それは、生かされている真実を知り、進んで「今」を大切に生きる精神の働きと言えるでしょう。
世の中、生きる希望が見出せるような時ばかりではありません。しかし、そのような状況であってこそ、尚のこと勇む心が必要ではないでしょうか。沈んだ心、萎えた心からは何も生まれてはきません。勇んだ心こそ、明日の人生を切り開く力となるのです。
神様のお言葉に、
「皆勇んですれば、色も出る、薫りも出る」(「おさしづ」M40・3・22)
とあります。
どんな中にあっても、勇気を持って「よし」と受けて立つ力を持って生きたいものです。そのような皆の力が結ばれた時、この世界は明るく彩られ、すがすがしい薫りによって満たされるのです。