(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1104回

モラルハラスメント

昨今、離婚原因として急増している〝モラハラ〟。教祖が夫婦の関係について示されたお言葉から思案する。

モラルハラスメント

 
夫婦の離婚原因としていちばん多いのは、「性格の不一致」だそうです。お互いに自分の価値観が絶対であるという思いから、相手の主張を認められずに関係がこじれてしまい、残念な結果となってしまうようです。

他に上位をしめる原因としては金銭的な問題、暴力、異性関係などがありますが、中でも近年増えているのが精神的な虐待、いわゆるモラルハラスメントです。目に見える原因だけではなく、心の奥深くで進行する、当人でなければ分からない難しい問題が夫婦間で増えているのです。

天理教教祖・中山みき様。私たちは「おやさま」とお慕いしているのですが、教祖はある時、桝井伊三郎さんに、

「伊三郎さん、あんたは、外ではなかなかやさしい人付き合いの良い人であるが、我が家にかえって、女房の顔を見てガミガミ腹を立てて叱ることは、これは一番いかんことやで。それだけは、今後決してせんように」と仰せられました。 (教祖伝逸話篇137「言葉一つ」)

相手が自分の意に沿わないと腹を立て、ガミガミと叱ってしまう。程度や状況によっては、今であればモラルハラスメントに当たるかもしれません。
教祖は伊三郎さんに対して、「これは一番いかんこと」「今後決してせんように」と、滅多に使われない強い表現で戒めておられます。教祖が、いかに夫婦の日常の在り方を大切にされていたかという証しでしょう。

この他にも、教祖は結婚についてしばしばお諭しくだされています。

ある縁談をお許しになるに際しては、「心の美しいのを見て、やる」と仰せられました。心のあり方が結婚の大きな条件であるとのお諭しです。(教祖伝逸話篇 6「心を見て」)

あるお見合いの席では、「神様は、これとあれと、と言われる。それで、こう治まった。治まってから、切ってはいかん。切ったら、切った方から切られますで」と、神様の深い思わくあっての縁談であることを仰せになりました。(教祖伝逸話篇 32「女房の口一つ」)

また、一度離縁し、再婚した女性が傷を負った際には、「縁の切れ目が、命の切れ目やで。抜け出したいと思うてたら、あかんで」と戒められました。(教祖伝逸話篇 156「縁の切れ目が」)

現在は、三組に一組が離婚する時代です。原因は様々で、周りが推し量ることはできませんが、別れてもお互いが持っている心の課題が解決するわけではありません。遅かれ早かれ、自分の心と向き合わなくてはならない時が必ずやってくるのです。

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