(天理教の時間)
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第1275回2024年3月29日配信

年末に続いた子供の風邪

岡先生(掲載)
岡 定紀

文:岡 定紀

第1093回

むごい言葉

子育てや職場などで使いがちな、上から抑えつける「むごい心」。教祖は「優しき心」にとお諭しくださる。

むごい言葉

天理教で朝夕のおつとめに唱える「みかぐらうた」の中には、次のような「むごい(酷い)」という表現が出てきます。

むごいこゝろをうちわすれ
やさしきこゝろになりてこい
(五下り目 6)

むごいことばをだしたるも
はやくたすけをいそぐから
(十下り目 6)

人の気持ちを抑えつけるような「むごい心」をすっかり忘れて、相手を包み込むような「優しい心」になるようにと教えられています。

このことは、人を育てる場面においては特に重要なことでしょう。子育てにせよ職場での人材育成にせよ、一生懸命に働きかけても、なかなか思うように反応を得れらないことがあります。そんな時、ついイライラして相手の成人の鈍さに不足をしたり、相手が変わらないことに腹を立てて、上から抑えつけるような「むごい心」を使いがちです。

神様のお言葉に
「子が満足して親と言う。どんな事も、成らん処育てるが親の役、親が腹を立てゝはどうもならん」(おさしづ M31・11・11)
とあります。

親の役割を担う者は、どんなことがあっても腹を立てず、相手に満足を与えることを心掛けて通るようにと教えられます。ただし、それは決して相手を甘やかし、言いなりになることではありません。温かく優しい心を抱えて通りながらも、我が子や相手がたすかるために必要であれば、たとえそれが「むごいことば」、厳しい内容であったとしても、きちんと伝えることもまた親心なのです。

さらに言えば、伝える内容が「むごい」ことでも、それを伝えるための方法や言葉遣いが、相手を傷つけたり、上から一方的に抑えつけるような「むごい」ものである必要はないということです。

「はやくたすけをいそぐから」とあるように、あくまで相手のたすかりを第一に考え、どこまでもこちらの心を低くして、ねぎらい、励ましながら伝えることが肝心であり、それによってどれだけ相手が成人するかが、指導する者として試されているのです。

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