第1091回2020年9月12日・13日放送
素直の心が、順序の道
上司の部下に対する「パワハラ」が問題になっている。お言葉をもとに、教育する側の心掛けについて考える。
素直の心が、順序の道
会社で、上司が部下に説教をしています。
「なぜ言うことを聞かないんだ?もっと素直になりなさい!」。これは言い換えると、「つべこべ言わずに、黙って俺の言うことを聞け!」という恫喝にもとれます。
この時、部下は聞いているふりをしていますが、心の中では上司に対して激しく反発しています。怒りにまかせてしまえば、どんな正論であったとしても逆効果。教育とは自分の考えを押し付けるのではなく、むしろ相手の特性を引き出すことにあるのに、どうにもこの上司はいけません。
神様のお言葉に、
「心の温和(おとな)し、何も言わん素直の心が、順序の道である程に」(明治33・1・25)とあります。
人間の親である神様は、子どもである私たち人間に「素直になりなさい」と強要することはありません。目上の者は目下の者の身になって教え、目下の者は目上の者の思いを汲みとって、素直に話を聞く。それが、お互いが成人するための順序であると諭されます。
近年、上司の部下に対するパワーハラスメントが問題になっていますが、次のようなお言葉があります。
「分からん子供が分からんのやない。親の教が届かんのや。親の教が、隅々まで届いたなら、子供の成人が分かるであろ」。(教祖伝逸話篇196「子供の成人」より)
親や上司という立場から素直に話を聞いてもらうには、素直に聞いてもらうためのそれ相応の努力が必要なことを忘れてはならないでしょう。