第1358回2025年10月31日配信
忘れていいこと悪いこと
人にしてあげたことはさっさと忘れ、神様や人から受けた恩恵は決して忘れない。これが心を澄ます道なのだが…。
忘れていいこと悪いこと
物事には、忘れた方がいいことと、決して忘れてはならないこと、この二通りのものがあります。
忘れた方がいいのは、人のためにしてあげたことや、反対に人から不愉快な目にあわされたことなどです。他方、忘れてはならないのは、神様や自然から頂いている豊かな恵み、人から頂いた恩恵などです。
これは簡単なことではありません。日常生活を省みると、私たちは案外この反対のことばかりやっているような気がします。人を少しばかり手助けしてあげたことをいつまでも心に留めて、「あいつはお礼の一つもしない」と、恩着せがましいことを言ったりする。また、人に対する恨みがましい気持ちを、長年持ち続けたりするものです。
そして一番いけないのは、神様や自然から頂いている恩恵を忘れ、さらには人から受けた恩まで忘れてしまうこと。たすけてもらった時だけ感謝しても、すっかり忘れてしまい、知らぬ顔をしてしまうのはよくあることです。
神様は、そのような私たちの忘れやすい習性を、お言葉によって表されています。
「神の自由して見せても、その時だけは覚えて居る。なれど、一日経つ、十日経つ、三十日経てば、ころっと忘れて了う」(M31・5・9)
それ故に、
「日が経てば、その場の心が緩んで来るから、何度の理に知らさにゃならん」(M23・7・7)
と仰せられ、心の成人を促される上から、病気や事情によってお手引き下さるのです。
さらには、教えを筆に記し、「おふでさき」という書き物に残されたことに関しても、
「これまでどんな事も言葉に述べた処が忘れる。忘れるからふでさきに知らし置いた」(M37・8・23)
と、耳で聴くだけでは、とかく忘れやすい私たちの上を思ってのことであると仰せられています。
忘れるべきことを忘れずに覚えていると、それは心の濁りとなり、忘れてはならないことを忘れては、恩知らずとなってしまいます。どちらにしても、心を澄ます道ではありません。物事の「忘れ方・覚え方」というのは、かくも難しく、それでいてとても重要なことなのです。
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