第1137回2021年7月31日・8月1日放送
親と子のあり方
親なる神様は私たち人間をたすけたい一心である。しかし、この「たすけ」の真意を私たちはしばしば誤解する。
親と子のあり方
天理教教祖・中山みき様「おやさま」の直筆による「おふでさき」に、次のようなおうたがあります。
にち/\にをやのしやんとゆうものわ
たすけるもよふばかりをもてる(十四 35)
親なる神様は、いつでも子どもである私たち人間をたすける段取りばかりを考えているとの仰せです。まさに、子ども可愛い親心の極致と言えるでしょう。
「たすける」とは、一般に悪い状態から救うことを意味しますが、この「たすける」ことの中身は、神様と人間との間で大きく異なります。
人間としては、もっぱら病気や災難、また貧困といった困難な状態が解消されることを願います。しかし、神様からすれば、例えば病気については「病の元は心から」と、その根本原因である心遣いが体調に現れたものだと仰せられています。その身体の異常を手掛かりに心の向きを改めさせ、陽気ぐらしへ導こうとの親心からのお知らせだということです。
同じような食い違いは、人間の親子の場合にもしばしば生じます。親が子どもの将来を案じて助言や注意をしても、子どもは目先の興味や欲求に捉われて、耳を貸さなかったり、逆に反発したりといったことがあります。親としてはもどかしい限りですが、腹を立てたり諦めたりするのではなく、どうすれば真意が伝わるかを思案し続け、見守り続けることが大切だと思います。
そのためには、先ず親自身が、心から子どもの幸せを願うとともに、本当の幸せとは何か、本当のたすかりとは何かを求め、自らも律する努力を忘れてはならないと思うのです。