(天理教の時間)
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第1284回2024年5月31日配信

トゥクトゥクに揺られて

野口信也先生
野口 信也

文:野口 信也

第1205回

人を救けるのやで

欲のない人間などいないが、神様に真剣に祈る時、欲は消え去る。そうしてご守護を頂いた先人の逸話を。

人を救けるのやで

 

神様は、私たち人間の良くない心遣いを「ほこり」にたとえて戒められています。その心遣いを反省する手掛かりとして、おしい、ほしい、にくい、かわい、うらみ、はらだち、よく、こうまんの八つをお教え頂いていますが、これは元をたどれば、どれも自分中心、我が身勝手の心遣いです。その代表格として、「みかぐらうた」の中では、「よく」のほこりについてお諭しくだされています。

  よくのないものなけれども
  かみのまへにハよくはない(五下り目 4)

神様は、欲のない人間などいないことはご承知です。誰にでも欲はある。しかし、神様の前に額ずき、真剣に祈る時、欲は消え去る。その真実の心に、神様はお働きくださることを教えられています。

天理教教祖・中山みき様「おやさま」をめぐって、こんな逸話が残されています。

明治十五年のこと。小西定吉さんは、人の倍も仕事をする働き者でしたが、ふとした事から胸を病み、医者からも見放されてしまいました。折しも妻のイエさんが二人目の子を妊娠中で、夫婦揃って教祖のお屋敷へ参らせて頂きました。

イエさんが安産の許しである「をびや許し」を頂くと、定吉さんは「この神様は、をびやだけの神様でございますか」と教祖にお伺いしました。すると教祖は、「そうやない。万病救ける神やで」と仰せられました。そこで定吉さんが、「実は、私は胸を病んでいる者でございますが、救けて頂けますか」とお尋ねすると、教祖は、「心配要らんで。どんな病も皆御守護頂けるのやで。欲を離れなさいよ」と、親心溢れるお言葉をくださいました。

「欲を離れなさいよ」とのお言葉が強く胸に食い込んだ定吉さんは、家に戻ると早速、手許にある限りの現金を全て妻のイエさんに預け、離れの一室にこもって、紙に「天理王尊」と書いて床の間に張り、「なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと」と一心に神名を唱え、お願いをしました。部屋の外へ出るのは用を足す時だけで、朝夕の食事もその部屋へ運ばせるという徹底ぶり。すると不思議にも、日ならずして顔色も良くなり、咳も止まり、長い間の苦しみをすっきりお救け頂いたのです。(教祖伝逸話篇 100「人を救けるのやで」)

さらに、妻のイエさんも楽々と男の子を安産させて頂き、定吉さんは早速おぢばへお礼に帰らせて頂きました。教祖に心からお礼を申し上げると、教祖は、

「心一条に成ったので、救かったのや」と、大層お喜びくださいました。まさに欲を離れて一すじに祈る心に、神様がお働きくださったのです。

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