(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1194回

元のいんねん

神様は人間に陽気ぐらしをさせるために世界を創られた。これが「元のいんねん」人類の先天的な約束だ。

元のいんねん

 

神様は、人間が陽気ぐらしをするのを見て、共に楽しみたいとの思いから、この世界と人間をお創りくださいました。これが人類共通の「元のいんねん」です。

神様によって陽気ぐらしをするべく創られた人間である以上、たとえ今は苦しい姿であっても、最終的に人間は皆幸せになれる。また、そうならなければならない。それが人類の先天的な約束だということです。

では、陽気ぐらしとは、どういう条件で味わうことができるのか。おつとめのお歌に、「こゝろすみきれごくらくや」(十下り目  4)とありますが、私たちの心が澄み切ることが最大の条件となります。

この心が澄み切ることについては、「このたびむねのうち すみきりましたがありがたい」(四下り目 10)とのお歌もあります。

さて、私たちは普段、どんなことを有り難いと感じているでしょう。健康であること、お金があること、子どもが元気なこと、などなど。どれも結構なことに違いありませんが、それより何より、「心澄み切る」ことが有り難いのだと神様は仰せられます。にもかかわらず、私たちはつい目の前の出来事ばかりを追いかけ、心遣いを省みることをおろそかにしてしまいます。この神様との食い違いが、人生において苦悩を招く元なのです。

神様はそんな私たちを、陽気ぐらしにふさわしい心に立て替えようと、非常手段を用いてでも、その必要性を知らしめてくださる。それが個々の身体に表れる病気であったり、生活の中で様々に起こってくる苦難なのです。目に見えない心の形を見える形で表し、「さあ、どうする?」と心の入れ替えを促される。これが、私たちを陽気ぐらしへと導かれる神様の基本的プランのようです。

ところが人間は、ここのところが中々理解できない。陽気ぐらしをさせるために人間をお創りになったのなら、神様はなぜ私たちを苦しめようとなさるのか、と恨み言の一つも言いたくなります。

しかし神様は、「なんぎするのもこゝろから わがみうらみであるほどに」(十下り目 7)と、銘々の心遣いを反省するよう促されます。厳しいお言葉ですが、苦難の原因を外に求めている限り、心を澄み切らせることは到底叶わないのです。

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