(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1193回

信仰における成人とは

成人年齢が18才に引き下げられた今、信仰的な〝成人〟とはどういうことか、お言葉から考えていく。

信仰における成人とは

 

先頃、民法の成人年齢がおよそ140年ぶりに見直され、20歳から18歳に引き下げられました。すでに2016年には、選挙権が18歳で行使できる改正がされていましたが、今回は、保護者の同意なしにローンを組んだり、クレジットカードを作ることが可能になったり、また、重大な犯罪については実名が公表されることになります。反対に、女性が結婚できる年齢がこれまでの16歳から2歳引き上げられ、男女とも18歳となります。

天理教における成人年齢に近いものとしては、15歳までは親の心遣いによって守護され、15歳を過ぎてからはそれぞれの心遣い、つまりは各自の責任においてご守護をくださる、との教えがあります。また、天理において3カ月間教えを学ぶ「修養科」への志願は17歳から、神様のお話を聞かせて頂く「別席」も同じく17歳から受けることができると決められています。

教祖・中山みき様「おやさま」直筆による「おふでさき」には、成人という言葉が二度使われています。

  にち/\にすむしわかりしむねのうち
  せゑぢんしたいみへてくるぞや(六 15)

とあり、この前のお歌では、

  せかいぢうをふくくらするそのうちわ
  一れつハみなもやのごとくや(六 14)

と記されています。
これは、世界中の人間の胸の内は靄がかかったように混沌としているが、成人するに従って心は澄んで、神様の真理が見えてくるということでしょう。

また、もう一首、

  それよりもむまれたしたハ五分からや
  五分五分としてせへぢんをした(六 48)

とのお歌があります。
五分とは一寸の半分、およそ1.5センチの大きさですが、ここでは神様が人間を創造された元初りの時において、人間の身体が少しずつ成長していったことを述べておられます。同時に、やはり混沌とした中から、だんだんと物事の分別がつき、精神的に成長していくことを教えられているようにも受け取れます。

これらのお歌から、信仰的な成人とは、何歳になったから、というようなある特定の状態ではなく、陽気ぐらしに向かって少しずつ成長を遂げる、その変化していく過程を指していることが分かります。神様が、そのような私たちの成人する姿を待ちわびておられることは、言うまでもありません。

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