第1133回2021年7月3日・4日放送
くにさづちのみこと
神様による「つなぎ」のご守護のお話。人とのつながりを築く上で大切な心遣いとは。
くにさづちのみこと
神様は、人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しみたいと、この世界と人間をお造りくだされた、私たち人類の親であります。そして今も昼夜を分かたず、この世界の隅々から私たち一人ひとりの身体に至るまで、一切のご守護をくだされています。
教えでは、この神様のご守護を十に分け、それぞれに神名をつけて説き分けられていますが、そのうちの「くにさづちのみこと」については、「人間身の内の女一の道具、皮つなぎ、世界では万つなぎの守護の理」と教えられています。
世界における「つなぎ」のご守護としては、金銭や縁談といったものがあげられます。金銭は人と人とをつなぐ道具であり、縁談は夫婦となる男女をつなぐためのものです。いずれも、人間が孤立せずに、協力し合い、たすけ合いながら生きていくために生み出されたものと言えるでしょう。
また、「つなぐ」という言葉を聞いて、チームスポーツを連想する方も多いかもしれません。サッカーやラグビーでボールをチームメートにつないで得点を目指す、また駅伝で一本のタスキに思いを込め、懸命につないでゴールを目指す。一つの目標に向かって、一人ひとりが持ち味を発揮しながら力を合わせる姿が、大きな感動を生むのです。
スポーツにおける、お互いがたすけ合う姿勢は「チームワーク」と呼ばれますが、家族においてもチームワークが重要なのは言うまでもありません。
チームワークを築く上でいちばん大切なのは、相手を信頼することです。自分は偉いという高慢な心や、俺が俺がという我が身中心の心遣いは、チーム作りにおいて最も大きな支障となります。人と人とをつなぐには、何より謙虚な低い心が大切です。そうすれば相手の持ち味がはっきりと見えて、お互いの信頼関係は高まっていきます。
人との関係を言葉でつなぎ、心でつないでゆく。そのような姿勢が、和やかな家族、安定した社会を生み出す原動力になるのではないでしょうか。