(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1117回

自分らしく、誠実に働く

世渡り上手で出世していく同僚と、誠実に仕事をしているのに出世できない自分。こんな時、どう心を治めるべきか。

自分らしく、誠実に働く

 

職場の同僚の活躍を素直に喜べないというAさん。その同僚は上辺を取り繕うのがうまく、人によって態度をコロコロ変える、いわゆる世渡り上手なのだとか。Aさんの不満をよそに、社内での評価は高く、どんどん出世していきます。

Aさんは同期で入社したその同僚に、元々強いライバル意識を持っていました。裏表のある彼の本性を知っているだけに、Aさんはひたすら誠実に仕事をしている自分と大きな差がついていくことに、納得がいかないようです。

しかし、同僚のそのような性格を変えるというのは、現実的に難しいでしょう。かと言って、今のAさんの喜べない心理状態では、仕事に良くない影響を及ぼすことも予想されます。

こんな時は、いっそ素直に「彼は自分より、ずっとコミュニケーションのスキルが高い」と、同僚の良い部分を認めてしまえば気が楽ではないでしょうか。それを認めずに、いつまでもひがんでいるばかりでは、余計に自分を追い込んでしまうことになります。

力士がインタビューで、「一日一番、自分の相撲を取りきるだけです」と答えるのをよく耳にしますが、それと同じように、AさんにはAさんなりの誠実な仕事の仕方があるのではないでしょうか。
その上で、「出世だけが人生ではない。役職は社会の中での役割分担にすぎない」と考えることもできます。実際には、給与や待遇の面で差が出てくるかもしれませんが、そこには、その地位や報酬の分だけ、別の大変さも伴うことでしょう。

天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、「はたはたの者を楽にするから、はたらくと言うのや」(教祖殿逸話篇197 「働く手は」)と、私たちの働く意味について、自分本位ではなく、あくまで世のため人のために尽くすことが大切であると教えてくださいました。

また、「蔭でよく働き、人を褒めるは正直」(教祖殿逸話篇111「朝、起こされるのと」)とも教えられます。人が見ていようが見ていまいが、評価されようがされまいが、変わらず精一杯働くこと。そして、人の欠点を見つけるのではなく、人の良いところを見つけて褒めることが大切であるとお示しくださいます。

自分らしく、誠実に働く。いまのAさんには、この言葉がピッタリ来るのではないでしょうか。

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