(天理教の時間)
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第1280回2024年5月3日配信

そこにある幸せ

山本達則先生 IMG_1557
山本 達則

文:山本 達則

第1111回

お誓い

「天理教の神様は、どんな神様?」ある信仰家庭で、父親が小学生の息子にたずねた。

お誓い

 
天理教を熱心に信仰している、ある家庭でのお話です。

小学三年生の正夫君が、学校から帰ってくるなりお父さんに、「友達とえべっさんに行ってくる」と言って、急いで出かけていきました。

「えべっさん」とは、近所で毎年行われている蛭子神社のお祭りのことです。
お父さんが「えべっさんって、どんな神様なの?」と聞くと、正夫君は「商売繁盛の神様だよ」と答えました。さらにお父さんが「どうすれば、その神様からご守護がいただけるの?」と聞くと、「蛭子神社で参拝して、吉兆っていう笹につける飾りを買って帰ると、ご守護がいただけるらしいよ」と正夫君は説明しました。

「よく知ってるなあ」と感心したお父さん、これはいい機会だと、核心に入った質問をします。「じゃあ正夫、天理教の神様はどんな神様?」すると正夫君は、当たり前のように「元の神様、実の神様でしょ?」と。

この家庭では、毎晩夕づとめをつとめた後、次のような言葉を家族みんなで唱えています。


私たちの親神様は、天理王命様と申し上げます。紋型ないところから、人間、世界をお造りくだされた元の神様、実の神様であります。

親神様は、教祖をやしろとして、その思召を人間世界にお伝えくださいました。私たちは教祖によって、初めて親神様の思召を聞かせていただきました。

教祖は中山みき様と申し上げます。

親神様は、陽気ぐらしを見て共に楽しみたいと思召されて、人間をお造りくださいました。陽気ぐらしこそ、人間生活の目標(めどう)であります。


人類のふるさと「ぢば」で聞かせていただく神様のお話を「別席」と言いますが、これはそのお話を聞く前に唱える「お誓いの言葉」で、言わば信仰を始める上での入り口に立ち、心構えを述べるものです。

「毎日唱えている甲斐があった」。
息子の成長を嬉しく思いながら、お父さんはさらに尋ねます。「じゃあ、親神様からはどんなご守護がいただけるの?」すると正夫君は「陽気ぐらし!」と元気良く答えました。お父さんにとって、これ以上嬉しい答えはありません。

このような親子の会話は、お父さんにとって「果たして自分は日々、陽気ぐらしができているだろうか」と自らを省みる機会となったようです。

朝夕真剣に神様に祈り、喜びと感謝の心いっぱいに通ろうと思ってはいるものの、不都合な出来事に直面すると、すぐに心を曇らせてしまう。
成長著しい我が子のお手本となるためにも、家族とともに陽気に勇んだ日々を送ろうと、お父さんは誓いを新たにしたのです。

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