(天理教の時間)
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第1279回2024年4月26日配信

欲しい愛情のかたち

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1081回

陽気ぐらしと極楽

神様が望まれる「陽気ぐらし」とは、互いたすけ合いの世界。それは全く苦しみのない「極楽」とは意味合いが違う。

陽気ぐらしと極楽

天理教教祖・中山みき様「おやさま」の直筆による「おふでさき」に、
  にんけんもこ共かわいであろをがな
  それをふもをてしやんしてくれ   (14号 34)
とあります。

この世界と人間を造られた神様は、自らを「をや」と称され、私たち人間を「我が子」とお呼びになっています。このお歌では、人間も我が子を可愛いと思い、その成長を楽しみに愛情を込めて育てているだろう。神もそれと同じように、すべての人間を我が子と思い、日夜心を砕き、見守っているのだと仰せられています。
子育てにおいては、時に厳しく叱りつけることも必要でしょうが、その根本には、子ども可愛いという「親心」がなければなりません。その親心については、神様の私たちに対する心尽くしやご態度に学ぶべきなのです。

ところで、神様が望まれる「陽気ぐらし」とは、いわゆる「極楽」の世界と、どう違うのでしょうか。辞書によれば、極楽とは「全く苦しみのない安楽な世界」とありますが、これは陽気ぐらしとは意味合いが違います。なぜなら、苦しいことや悩みが全くなければ、たすけ合う必要がないからです。

家族にたとえて言えば、極楽とは、子どもたちがご馳走をお腹いっぱい食べて満足している姿で、陽気ぐらしとは、一つのパンを子どもたちが仲良く分け合って食べている姿と言えるでしょうか。

親としては、どちらが嬉しいでしょう。子どもが何人かいれば、身体の丈夫な子や病弱な子、成績のいい子もいれば勉強が苦手な子もいるでしょう。いつも明るい子もいれば、元気なく下を向いている子もいたり。でも親としては、子どもたちには、どんな時でも仲良くたすけ合ってほしいと願うのではないでしょうか。

そうした意味で、小さい時からお互いにたすけ合う習慣が身につくよう、心配りをしたいものです。一人っ子はどうすれば?との疑問が出てきますが、そうした場合でも、家事を手伝わせるなどして、人にしてもらう喜びだけでなく、人の役に立つ喜びを感じてもらうことが大切だと思います。

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