第1324回2025年3月7日配信
分かる
「分かる」とは、理解する、承知する、などと辞書にあるが、お言葉に登場する「分かる」には、さらに深い意味が。
だけど有難い「分かる」
「分かる」という言葉は、辞書を見ると、「理解する」「承知する」「了解する」「判明する」といった意味があります。「窓を閉めてね」「分かった」、「ご飯できたよ」「分かった」、「勉強しなさいよ」「分かった」と、こんなふうに使いますね。珍しい使い方としては、「話の分かる人」という表現があります。辞書には、こうしたことが書いてあります。しかし載っているのは、ここまでです。
私は「分かる」という言葉には、もっと深い意味があると思うのです。それは「納得する」とか、「得心する」という意味です。そういう意味が、この言葉には確かにあったはずなのです。辞書だけではありません。いまの若い人たちに、この意味の「分かる」は通じないのではないかと思うことがあります。それでもなかには、心にしっかり治まっている人もいるようです。
全盲のピアニスト、辻井伸行さんが、アメリカのヴァン・クライバーンピアノコンクールで優勝しました。彼がそのときの記者会見で話した内容に、私は心を打たれました。「もし、一日だけ目が見えるとしたら、何が見たいですか?」という質問に対して、「両親や友人の顔が見たい」「海とか花火が見たい」などといくつか答えを挙げた後で、「でも、心の目で見ているから、いまのままで十分です」と言ったのです。私は驚きました。この二十歳の青年は、生きていることの素晴らしさ、ご守護の有難さが分かっているのです。
親神様は、
めへ/\のみのうちよりのかりものを
しらずにいてハなにもわからん (三 137)
と仰せくださいます。いま私たちは、こうして元気な体を貸し与えていただいています。たとえ病気であっても、事情に悩んでいても、親神様のご守護をすでに十分頂いています。このことが有難いということを、本当に分かっているでしょうか。
わかるよふむねのうちよりしやんせよ
人たすけたらわがみたすかる (三 47)
ここで仰せられる「分かる」は、「窓を閉めてね」「分かった」というような意味ではないのです。心の底から、ああそうやなあ、本当やなあ、と得心することなのです。
なぜ、人をたすけたら自分がたすかるのか。これは実行しなければ分かりません。やってみて初めて分かるのです。それが分かったら人生の意味が分かる、人生の目的が分かる。そして、幸せを実感できるのです。かしもの・かりものの理が分かり、おたすけの値打ちが分かる人間に成人させていただきましょう。
HOME

