(天理教の時間)
次回の
更新予定

第1407回2026年10月9日配信

転んで見えたもの

家族円満 花田浩美
花田 浩美

文:花田 浩美

第1354回

ノミのジャンプ

病気や事情は、自分の壁を突き破るチャンス。大きな心定めにより、末期がんをご守護頂いた男性がいた。

だけど有難い「ノミのジャンプ」

 

ノミという虫がいます。先日、この虫にまつわる面白い話を聞きました。

ノミというのは非常に小さいものですが、自分の体の五十倍から百倍くらいジャンプするのです。すごいですね。そのノミを、コップを裏返して中に閉じ込めてしまうと、当然、高く跳ぶことはできません。どうなるかというと、コップの底に当たって落ちるを繰り返すのです。そして、そのままにしておくと、コップを外しても、その高さまでしか跳べなくなるそうです。

人間も、神様から授かった能力は無限でも、嫌なことやつらいことがあると、自分で「これが限界」と枠や殻を作って、コップのなかのノミのように、そこまでしかジャンプしなくなることがあるのではないでしょうか。

私は、病気や事情は、私たちが自分で「もうここまで」「自分の能力はこんなもの」と決めてかかっている壁を突き破るチャンスとして、親神様が与えてくださっているのではないかと思うのです。病気になったら、普段は当たり前にできていることができなくなると考えがちですが、心の持ち方によっては、普段できないことができるようになる。私は、それが「ふし」だと思うのです。

最近、ある三十代の男性の話を聞きました。彼は、父親が末期の胆嚢ガンの宣告を受けました。家族はとてもショックを受けました。ところが、その直後、自分自身も肝臓ガンのステージⅡだと分かったのです。父親のことだけでも家族は大変なのに、自分の病気のことはとても言い出せないと、彼は悩みました。

そこへ教会の人がやって来て、「親神様、教祖にもたれさせてもらおう」と彼を励ましました。しかし、その言葉にも勇めず、教会やお道に対する不足を並べ立てて、その人を追い返してしまいました。あとで冷静になってみて、自分は何も実行しないで文句ばかり言っていたと、少し反省したそうです。

そこへまた教会の人がやって来て「十月のひのきしん隊に行かないか」と声を掛けました。前回のことがあったので、彼は一応「はい」と返事をしました。しかし、内心では「この体でつとめさせていただくのは、とても無理だ」と思っていたそうです。

それから二週間後、病院の診察がありました。検査の結果、「リンパ節に転移している。余命は二カ月」と宣告を受けました。彼には、男の子が二人いました。こんなに小さいうちに父親がいなくなると思うと、不憫でなりません。残った家族はどうなるのだろうと思ったら、なんとしてもたすけていただきたいという気持ちになって、「生涯、神様の御用一筋につとめます。おたすけをして通ります」と決心したのです。「ひのきしん隊に行くのは無理だ」と考えていた人が、生涯、神様の御用一筋に通る決心をしました。

十日後に再度、診察がありました。検査の結果、ガンが消えていたのです。彼は喜びいっぱいに修養科へ行って、教祖百三十年祭をおぢばで元気に迎えさせていただいたということです。

ノミの話に戻りますが、コップの高さまでしか跳べなくなったノミは、いったいどうすれば元に戻るか。自分の体の五十倍、百倍跳ぶノミのなかに入れたら、すぐに跳べるようになるそうです。私は、これが教会だと思います。教会へ行けば、自分の枠や殻でなく、神様を目標に歩んでいる人たちがいます。その人たちは、いわば五十倍、百倍跳んでいるノミの仲間です。そこへ入ることによって、すぐに自分も跳べるようになる。これが教会だと思うのです。また、そんな教会でありたいと思います。

天理教の時間専用プレイヤーでもっと便利にもっと身近に天理教の時間専用プレイヤーでもっと便利にもっと身近に

おすすめのおはなし