第1332回2025年5月2日配信
安らぎの場所
離婚によって、安らぎの場であるはずの家庭がなくなってしまう。子供たちにとって受難の時代である。
だけど有難い「安らぎの場所」
フランスでは、「パックス」と呼ばれる未婚のカップルが多いようです。そのカップルから生まれる子供が、子供全体の50%を超えたというニュースを見ました。背景には、フランスでは離婚の際に財産分与が非常に厳しいなどの諸事情があるとのことですが、正式な夫婦よりもパックスのほうが一緒にいる期間が平均して短く、違う人と一緒になるケースが多いということです。子供から見れば、正式な家族ではない両親がいて、その多くが、別れてまた別の親と一緒に暮らすようになるということです。
アメリカでは以前から離婚率が50%を超えていて、互いに離婚歴のある者同士が子連れで再婚する「ステップファミリー」が増えています。それにより、子供が大きなストレスを受けることが社会問題になっています。また、実の親による子供の誘拐まで起こっています。動機は、別れた相手が幸せになることへの妬みや、自分の子供が別の親と一緒にいるのが耐えられないということです。
つらい目に遭うのは子供たちです。お父さんとお母さんが勝手に別れてしまったと思ったら、また違うお父さんやお母さんができる、違う兄弟ができる。以前は児童養護施設に入る子供というのは、親を亡くしたケースがほとんどでした。しかし、いまは親がいるにもかかわらず、何らかの理由で育てられないからと施設に預けられる。
家庭は本来、安らぎの場所です。その家庭がなくなったり、ストレスのたまる場所であったりするのですから、子供たちにとって受難の時代です。日本でも離婚率が37%、都会では40%を超えているということです。フランスやアメリカの話は決してよそごとではありません。
もちろん昔も今も、たとえ別れたくなくても、生別、死別するカップルはあります。添い遂げたくても添い遂げられない人がいるのです。そして、大変な思いをしている子供たちがいる。その子供たちをたすけるのは誰か、家庭の温もりを伝えるのは誰かと考えたときに、教会、そしてお道の者の役割は非常に大きいと思います。
教会は昔から、身寄りのないお年寄り、行き場のない若者や子供たちを預かってきました。血のつながりがなくても、一れつ兄弟姉妹という教えに基づいて、大家族として一緒に生活してきたのが教会なのです。すでに里親として預かる子供の一割以上を、お道の教会が担っています。
アルバート・ロトというピアニストがいます。この人はウクライナのユダヤ人村の出身で、子供のころ親と一緒にアメリカへ移住したそうです。のちに一度だけ故郷の村を訪れましたが、旧ソ連の時代に潰されて跡形もなかったそうです。それを見て、二度と行きたくないと思ったという話でした。
そんななかで天理教と出合い、教えを聞き、おぢばに帰ると、みんなが「おかえりなさい」と迎えてくれる。自分にも〝ふるさと〟があったと大変感激したそうです。こんな素晴らしい教えはないと、先祖代々のユダヤ教徒からお道のようぼくになりました。
私は、人間にとっての温かい家庭やふるさとは、なくてはならないものだと思うのです。お道では、夫婦が一番大切な陽気ぐらしの基本です。夫婦が互いにたすけ合い、親神様のお目に適う夫婦となり、明るく陽気な家庭を築き上げて、これを世に映していくことが大切なのです。
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