第1159回2022年1月1日・2日放送
眼に見えない世界
心は眼に見えない。ゆえに、何を思ったとしても、言葉や表情に出さなければ大丈夫と思ってしまいがちだ。
眼に見えない世界
私たちは普段の暮らしの中において、眼に見えるものだけではなく、眼に見えない世界を意識することも大切です。たとえば木を育てる場合でも、葉の茂り具合や花の色合いに心を配るだけでは、立派な木に育てることはできません。幹や枝を支えている、地中深くに隠れた根の部分にも十分に心を配る必要があります。
天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、私たちの眼に見えない「心」について、次のように教えられています。
どのよふな心もしかとみているで
月日このたびみなわけるでな(「おふでさき」十一 7)
口さきのついしよばかりハいらんもの
心のまこと月日みている(「おふでさき」十一 8)
「見抜き見通しの神は、どんな人間の心遣いも、余すところなく見ている。そして、このたびは、その是非善悪をすべて明らかにするであろう。ゆえに、ただ口先だけで追従を言ったりするようなことは断じていらないのであって、神はすべての者の心の誠をしっかりと見ているのである」
たとえ心の中で何を思ったとしても、言葉や表情に出さなければ大丈夫。他の人に知られないなら問題はない。私たちはともすれば、そんな考えに落ち込んでしまいがちです。それが、口と心と行いが一つにならない通り方の大きな原因です。
眼に見える形を整えるよりも、まずは心のあり方を整えること。その意味で、ここで仰せられている「追従」、口でお世辞を言いながら、心の中で舌を出すようなことは、最も慎むべきことです。