(天理教の時間)
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第1280回2024年5月3日配信

そこにある幸せ

山本達則先生 IMG_1557
山本 達則

文:山本 達則

第1156回

難儀不自由

難儀だ、不自由だと嘆くことの多い日常。そんな私たちに神様は「心の転換」を促されている。

難儀不自由

 

神様は、私たち人間の成人を、日夜待ちわびておられます。朝夕に唱える「みかぐらうた」に、

  なんでもなんぎハさゝぬぞへ 
  たすけいちじよのこのところ(5下り目 7)

  ふじゆうなきやうにしてやらう
  かみのこゝろにもたれつけ(九下り目 2)

と示され、人をたすける心をもってひたすらに通れば、難儀不自由をすることはないのだと、私たちを励ましてくださいます。

しかし、成人の行き届かない私たちにとって、難儀不自由と感じてしまう経験はつきものです。暑くて難儀だ、寒いのはかなわん、から始まり、給料が少なくて生活が大変だ、病気になって身体が不自由だ、家族のなかがギクシャクしている、子育てがうまくいかない、などなど……。しかし、嘆いているばかりでは、その苦しい現状から脱することはできません。

ここで大切なのは、心の転換です。それぞれの問題も、ちょっと角度を変えてみれば、受け取り方は大いに違ってきます。

暑い寒いがあってこそ、豊かな自然や作物の実りを頂くことができる。給料は少ないかもしれないが、身体を存分に使って家族のために働かせてもらえる。子育ては難儀だが、この一日ごとの苦労が、わが子の未来を作っていくのだと思えば、親としてこれほど大きな喜びはない……。心の向きを少し変えるだけで、毎日が喜びずくめになっていくのです。

結局のところ、人間は、自分の都合だけを考えているうちは、難儀や不自由の波に押しつぶされていきます。けれども自らの欲望を離れ、人のために尽くす時、それまで難儀と思われていたものが、いつしか喜びへと変わっていく。それは取りも直さず、神様の望まれる「人をたすける心」へと、成人を遂げた姿なのです。

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