(天理教の時間)
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第1280回2024年5月3日配信

そこにある幸せ

山本達則先生 IMG_1557
山本 達則

文:山本 達則

第1085回

怒りをコントロールする

怒りに任せて息子さんを叱り、怯えさせてしまうという父親。教祖のお言葉をもとに解決方法を考える。

怒りをコントロールする

小学三年生の息子さんを叱る時、自分の感情をコントロールできず、怒りに任せて怒鳴ってしまうという父親のAさん。特に息子さんが嘘をついたり、いたずらをごまかそうとした時には、抑えがたいほどの怒りが込み上げてくるといいます。
息子さんは父親が怖くて、家の中では緊張している様子。奥さんは、息子さんを怯えさせるAさんに半ばあきれています。息子さんの心を傷つけてしまっている現状から、どのように子育てを修正していけばいいのか、Aさんは思い悩んでいます。

小学三年生といえば、「ギャングエイジ」と言われる難しい年ごろです。この年で親を手こずらせるのは、むしろ正常な発達段階とも言えますが、親は大変です。Aさんの怒りのスイッチが常にスタンバイ状態にあるというのも、仕方のないことでしょうか。

「厳しくしつけなければいけない」という親としての責任感もあるでしょう。加えて、息子さんの反抗心を抑え込もうという父親としての意地もあるかも知れません。いずれにしても、息子さんに強いストレスがかかっている今の状態を放っておくのは良くありません。嘘をついたり、ごまかしたりするのがいけないということは、息子さんにはもう十分に伝わっているはずです。薬が効いていることを信じて、少し距離をとってみてはどうでしょうか。

天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、私たちの日々の心の持ち方について、

「やさしい心になりなされや。人を救けなされや。癖、性分を取りなされや」(教祖伝逸話篇 123)
とお諭しくださいました。

また、良くない心使いを「ほこり」にたとえて教えられる中で、「はらだち」のほこりについて、
「はらだちとは、腹が立つのは気ままからであります。心が澄まぬからであります。人が悪い事を言ったとて腹を立て、誰がどうしたとて腹を立て、自分の主張を通し、相手の言い分に耳を貸そうとしないから、腹が立つのであります。これからは腹を立てず、天の理を立てるようにするがよろしい。短気や癇癪は、自分の徳を落とすだけでなく、命を損なうことがあります」
とお聞かせいただいています。

息子さんもいずれ自分の感情をコントロールできるようになるでしょう。むしろ、Aさんが自分自身の癖、性分に気づき、怒りの感情をコントロールすることが、息子さんにとってのよいお手本になるのではないでしょうか。

あきれた様子の奥さんは、きっと冷静にご主人と息子さんの関係を見ているのでしょう。夫婦でよく話し合うのも解決の近道に違いありません。神様がちょうどいい具合に組み合わせてくださった家族同士、お互いに感謝の気持ちを持って日々を送ることが、関係修復へつながるものと思います。

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