第1078回2020年6月13日・14日放送
後輩への指導
職場での後輩への指導で注意すべき点は。教祖の寄り来る人々を常に根気よく導かれたご態度に学ぶ。
後輩への指導
先輩として、複数の後輩社員の教育係をしているAさん。そのうちの一人が無断欠勤をするようになってしまいました。
仕事の覚えが良くないその後輩には、時折厳しく指導することもあったようで、Aさんは「自分が追い詰めてしまったのでは」と思い悩んでいます。ほかの後輩にも必要に応じて同じように厳しく接し、成果を上げてきたという自負があったのですが、そのやり方が間違っていたのではないかと思い始めています。
教育担当として指導する立場にある人は、当然後輩よりも経験や知識がずっと豊かですから、足りないところを指摘しようと思えばいくらでもできます。一方の後輩は、言われた通りにしようと努力しつつも、その原因に気づかないままに同じ失敗を繰り返してしまうこともあるでしょう。
このケースの問題点は、「指摘する側」と「ミスをしてしまう側」という関係が固定されていることです。そうした二者の関係ではなく、先輩と後輩が一緒になって、そのミスを客観的に検証する視点に立つ、いわゆる「三角形の関係」を作ることができれば、後輩の視野も広がり、自分で問題点に気づくようになるかもしれません。そうすれば、厳しい先輩と遠慮がちな後輩という緊張も解け、和やかな関係が築けるのではないでしょうか。
天理教教祖・中山みき様「おやさま」は、
「先を短こう思うたら、急がんならん。けれども、先を永く思えば、急ぐ事要らん」
(教祖伝逸話篇133「先を永く」)
と仰せられました。
思えば教祖は、どんな人がたすけを求めてきても、常に根気よく、時間をかけて導かれました。仕事で成果を出すには急を要する場面もあるでしょうが、トータルで考えれば、一人の人間が立派に成長するためには長い時間が必要です。教祖の「ひながた」に思いを致し、誰に対しても根気よく丁寧に接し、導いていきたいものです。