(ラジオ天理教の時間)
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第1180回2022年5月28日・29日放送

安心感は足元にある

宇田まゆみ
宇田 まゆみ

文:宇田 まゆみ

第1158回

みんなでコロナを乗り越えよう!

6才の次男がコロナに感染し、15人の大所帯家族が二週間の自宅待機に。この困難をどう乗り越えるべきか…。

みんなでコロナを乗り越えよう!

滋賀県在住  池戸 剛

 

今年8月、教会に一本の電話がかかってきました。「検査の結果、息子さんは新型コロナウイルスの陽性でした」。三人の息子が通う保育園で、新型コロナウイルスのPCR検査が実施され、6歳の次男が陽性となりました。

滋賀県内に緊急事態宣言が発令されている最中で、いつ誰が感染してもおかしくない状況でしたが、「あー、ついに我が家にもコロナがやってきたかー」と、私は大きく息をつきました。

次男は数日前から少し鼻水を垂らしていましたが、幸い発熱などの重い症状はありませんでした。保健所によると、次男は発症からすでに一週間経っているだろうとのことですが、感染が分かるまではいつものように家族と一緒に過ごしていました。

そうした状況から、お預かりしている里子も含め、次男以外の家族15人全員が陽性かもしれないという不安がよぎりました。まずは家庭内感染を拡げないために、次男を隔離することにしました。とは言っても、6歳の子どもを一人にすることはできないので、私が付き添い、家族との接触を避けられる神殿の二階で二人で生活することにしました。

間もなく保健所から調査の電話がかかってきました。家族構成や生活状況の聞き取りがあり、その結果、15人全員が濃厚接触者となり、翌日PCR検査を受けることになりました。

同時に、子どもたちや里子たちが通う保育園、小学校、中学校、高校、塾、児童相談所、祖母の通う病院、デイサービスなどに状況を説明しました。また、両親や教会関係の皆さんにも連絡を取り、しばらくは教会へお越しいただけないことをお伝えしました。直後から、教会の電話や私たち夫婦の携帯電話は鳴りっぱなしの状態が続きました。

その合間に夫婦で、この状況を神様からのお手紙としてどう受け止めるべきか。教会家族みんなにどのように説明したら良いか。これから自宅待機となる二週間、みんながどういう気持ちで通らせていただいたら良いかを相談しました。

「やっぱり、私たち夫婦の心の持ち方一つで、みんなが楽しく喜んで乗り越えられるか、逆に辛く苦しんで過ごすのかが決まってくるよね」と妻が言います。

「俺もそう思うよ。感染してしまったけど、幸い症状は軽いし、他の誰にも症状は出ていない。それに夏休みだから、我が家の中だけで済んでいることもありがたいよね」

まだ先への不安はありましたが、夫婦で何とか喜びを見つけることができました。

こうした思いがけない出来事を見せられることも、私たちの信仰では「成ってくるのが天の理」と教えていただきます。つまり私たちにとって嬉しいことも、辛く悲しいことも、全て神様のお働きによって見せていただいているということ。そこには親である神様だからこそ、どんな時でも必ずたすけてやりたい、成長させてやりたいという親心があるのです。

その親心に気づくことができるかが、そのあと、神様が私たちをどのように導いてくださるかの分かれ道だと思うのです。

気づけば、もう夕づとめの時間になっていました。私と次男は、神殿の二階からマイク放送を通して一緒に夕づとめをつとめました。おつとめの後、妻が教会家族みんなに我が家の状況を説明する様子が、スピーカー越しに聞こえてきました。

妻は、次男がコロナの陽性だったこと、ここにいる全員が濃厚接触者と認定されたので、明日PCR検査を受けること、これから二週間は自宅待機になることを説明しました。妻はさらに続けました。

「これは誰も悪くないんだよ。それに、みんなコロナの症状がなくて元気だし、学校が始まる前だったから、友達にうつさずに済んだこともありがたかったね。誰かのせいにしても現実は変わらない。だったらコロナを吹き飛ばせるように、みんなで明るく楽しく過ごそう。そうすれば、必ず神様に守っていただけるよ。みんなで元気に乗り越えようね!」

妻の明るい声と、それに答える子どもたちの元気な声を聞いて、私は、「これならきっと乗り越えられる!」と希望を持つことができました。

しかし現実には、その日から買い物に行くことができなくなり、不便さを感じていたのですが、なぜかいつも以上に、私たち夫婦の携帯に様々な方から別の用件で連絡が入るのです。

「実は今、うちでコロナが出まして…」と内情を話すと、それならと、お肉や野菜や果物を毎日のように届けてくださる方。「代わりに買い物行くよ!」と、神様へのお供え物や食材を買い出しに行ってくださる方。宅配便で食材や子どもたちのためのお菓子を送ってくださる方。自宅待機でストレスが溜まらないようにと、子どもの遊び道具を送ってくださる方。妻の誕生日にケーキを届けてくださる方、などなど…。

皆さんから直接受け取ることができないので、玄関の外に台を用意し、そちらに置いていただきました。教会の玄関扉のガラス越しに、「本当にありがとうございます! おかげさまで、みんな元気です!」と私がガッツポーズをすると、「頑張ってくださいね!いつもたすけてもらっているからお返しです!」と励ましてくださるのでした。

届けられた品々も本当に嬉しくありがたいのですが、それ以上に皆さんの温かいお心が私たちの胸に沁み、心の支えとなりました。

自宅療養している次男は体調の変化もなく、私と部屋や廊下でキャッチボールをしたり、100マス計算にチャレンジしたりして、四日間を過ごしました。その最終日、保健所から電話がかかってきました。

15名、皆さん陰性でしたよ」

私は神殿に額づいて、神様にお礼を申し上げました。

家族は二週間の自宅待機中、午前中は勉強道具を持ち寄って一緒に勉強し、午後からはみんなで賑やかに楽しめる遊びをしようと、卓球やカードゲーム、宝探しや花火大会など、大人も一緒になって楽しみました。

妻も皆さんからいただいた食材を使って、普段より食事の品数を増やしたり、おやつもいつも以上に工夫して子どもたちを喜ばせてくれました。

外へ出られなくても、家族のおかげで楽しく過ごせたこと。普段と比べて少し不自由な中だからこそ、今まで当たり前に感じていた日々の有り難さや、多くの方の温かな心づかいに感激したこと。そして、みんなが元気に二週間を過ごせたこと。どれも神様が私たちにおかけくださる親心の賜物だと喜びを噛みしめ、あらためてお礼を申し上げました。

 


 

心のもやを払う

 

人生に疑いや迷いはつきものです。順調に見えていた道筋が、突如として見通しがきかなくなることもままあります。不安の中を手探りで進みながら、時には立ち止まってしまうことも。人の一生は、そうした逡巡を繰り返していくものです。

誰だって、見通しの良い真っすぐな道を進みたいはずですが、それには、どうすれば良いのでしょうか。

天理教教祖・中山みき様「おやさま」直筆による「おふでさき」に、次のようなお歌があります。

  せかいぢうをふくくらするそのうちわ
  一れつハみなもやのごとくや(六 14)

  にち/\にすむしわかりしむねのうち
  せゑぢんしたいみへてくるぞや(六 15)

  このみちがたしかみへたる事ならば
  このさきたしかたのしゆでいよ(六 16)

「世界中にはたくさんの人々が暮らしているが、その胸の内は、みな一様に、もやに包まれたようで先が見えていない。しかし、日々、神の思召しに沿って通り、次第に心が澄んでいけば、もやが晴れるがごとく、物事の真実が見えるようになってくる。こうして心の成人が進み、歩むべき正しい道筋がはっきり見えるようになれば、その先には間違いなく陽気あふれる生活があるのだから、それを楽しみに、疑うことなく歩き続けるがよい」

家族が仲良く暮らし、人々が互いにたすけ合う陽気ぐらしへとつながる道。これこそ、私たちが歩むべき確かな道です。そのためには、自らの生活をできるだけ教えの光に当てるよう努めること。そうして「心の成人」が進めば、やがてもやは晴れわたり、目の前に明るい景色が広がってくる。こうなれば、道の行方を見定めて、安心して足を運ぶことができるようになります。

神様は、いつでもどこにでも、救いの光を与えてくださいます。私たちはその光を頼りに、次第に見えてくる「確かな道」を楽しみに、歩み続けていきたいものです。

(終)

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