立教171年秋季大祭(10・26)

■2008年11月4日

いまこそ信念もって教えの実践を

一派独立から100年の節目 先人の志と働き受け継ぎ

立教の元一日に由来する、立教171年秋季大祭は10月26日、中山善司真柱様を祭主に、本部神殿で執り行われた。天保9(1838)年、旬刻 限の到来とともに親神様が初めてこの世の表にお現れになり、教祖をやしろとして「だめの教え」を開かれたこの日。国の内外からの帰参者は約10万人に上 り、神苑一帯は終日にぎわいを見せた。神殿講話に立たれた真柱様は、立教の元一日とその後のひながたの道をあらためて振り返ったうえで、「教祖の教え通り にしていれば決して間違いはない、という信念をもって教えを実践することが第一」「一人でも多くの人に、この教えを伝え広めることが、いま私たちに課せら れた急務」であると強調、教祖の道具衆としての心構えやつとめ方について諄々と諭された。参集したようぼく・信者は、元一日に込められたをやの思い、教祖 のひながたを胸に刻み直すとともに、陽気ぐらしへ向かう歩みを心新たに踏み出すことをお誓いした。

秋季大祭は、教祖が「月日のやしろ」にお定まりくだされた「朝五ッ刻」にちなみ、午前8時から執行された。 真柱様は定刻ご進発。つとめ人衆とともに、教祖殿、祖霊殿で礼拝された後、神殿上段へ進まれた。 真柱様は祭文の中で、立教から今日までの道の伸展の尽きせぬご守護に御礼申し上げられた後、「私どもをはじめ教会長、ようぼく一同は、今日の吉き日にあ らためて立教の元一日の理に深く思いを致し、決意も新たに一段の成人をお誓い申し上げ、つとめの理を戴いて、にをいがけ・おたすけに、さらには道の後継者 育成のうえに丹精を尽くし、一手一つにたすけ一条の足取りを力強く進めさせていただく決心でございます」と決意を述べられた。 続いて、かぐら・てをどりがいとも陽気に勤められた。 この日の親里は、朝から小雨がぱらついたものの、かぐらづとめが終わるころには、雲間から柔らかな秋の光が差し込んだ。 四方の礼拝場はもとより、階下、回廊を埋め尽くした人々、神苑で傘を差して参拝する人々も、心をそろえて「みかぐらうた」を唱和した。 この後、真柱様が神殿講話に立たれた。 真柱様はまず、この道が開かれたのは、立教のご宣言にあるように「世界一れつをたすけるため」であり、「すべての人々を身上の苦しみや事情の悩みから救い上げ、元初まりの思召である陽気ぐらしへと導こうということである」と話を起こされた。 そして、立教のご宣言に始まる一連の出来事を振り返り、教祖が「月日のやしろ」にお定まりくださるまでの三日間のやりとりを通して、親神様は、それまで に知られていた神々とは全く異なる神様であり、この教えが拝み信心とは大きく異なる「世界一れつをたすけたい」という全人類のをやならではの教えである と、あらためて強調された。 さらに「ひながたの道の初まりは、貧に落ちきる道中であった」として、教祖の夫・善兵衞様をはじめ、秀司様、こかん様の歩みについて詳しく説明。「(秀 司様とこかん様が)かけがえのない働きをされる方々だからこそ、情に流されることなく、理を立てきって通るようにと懇ろに諭され、後々までの仕込みの台と されたのである」と指摘された。 また、本教が今年、一派独立から100年の節目を迎えたことに言及。政府当局の干渉などで足掛け10年にわたった独立運動のさなかにも、その都度「おさしづ」を仰いで、理の筋道を外すことなく、教団としてのさまざまな体制を整えていった先人たちの歩みをたどられた。 そのうえで「厳しい状況のもとで、本教が独立した教団としての体裁を整え、基本的には、それが復元を経て今日に続いていることを思うにつけても、今日の 私たちが信教の自由を保障され、教え通りに歩むことができる環境の中で、往時の先輩たちの志や働きぶりをしっかりと受け継いでいるだろうかと自問せざるを 得ない」「組織や制度に安住し、内実を欠くようなことになったのでは、血のにじむような苦心を重ねて今日に至る基礎、骨格を築いてくださった先人たちの努 力を台無しにしかねない」と戒められた。 そして「今日の私たちこそ、時代の風潮や世俗的な欲望に流されることなく、この道が教祖お一人から始まった道であることをあらためて胸に刻み、ようぼ く、すなわち陽気ぐらし世界建設のための人材としての自覚を高め、まずは身近なところから、陽気ぐらしの輪を広げていくことが大切」と話された。 最後に、さまざまな社会問題への対処を思案することも必要だが、「私たちこの道を歩む者としては、その前に、教祖の教え通りにしていれば決して間違いは ない、という信念をもって教えを実践することが第一」であり、その土台があってこそ、種々の思案や手立てが生かされるとして、「その意味でも、一人でも多 くの人に、この教えを伝え広めることが、いま私たちに課せられた急務である」と、お言葉を締めくくられた。 ◇ なお、この日を目指して、海外からも大勢のようぼく・信者が参集。韓国、台湾、アメリカ、ブラジル、メキシコなど20カ国・地域から848人が帰参した(10月27日、海外部把握分)。

(立教171年11月2日号)