天理高野球部 明治神宮大会初の準V(11・19)

■2008年12月1日

既報の通り、「明治神宮野球大会」へ近畿地区代表として出場した天理高校野球部は、19日の決勝戦で慶応義塾高校(関東・神奈川)と対戦(写真)。 接戦の末、6‐8で敗れたものの、初の準優勝に輝いた。 この大会は、各地区大会で優勝した10チームが日本一を決めるもの。来春のセンバツ大会出場が濃厚な実力校同士の対戦とあって、白熱した試合が繰り広げられた。 今大会、34年ぶりに出場した天理高は、初戦で中京大中京高校(東海・愛知)を9‐1(7回コールド)、準決勝で西条高校(四国・愛媛)を4‐3(延長12回サヨナラ)で破り、決勝へと駒を進めた。 この日の試合は、2回までに慶応に4点を奪われる苦しい展開。しかしその裏の攻撃で、天理は相手のミスにつけ込み2点を返すと、3回には2死から長短打などで同点に追いついた。 5回には、四球や失策が重なって2点のリードを許したものの、それでも諦めない天理打線は6回と7回にタイムリーヒットを放って再び同点。執念の粘りを見せたが、8回に慶応に2点を勝ち越され、万事休す。結局6‐8で惜敗し、準優勝となった。 森川芳夫監督(52歳)は「二度も同点に追いつきながら、勝ち越せなかったのは課題。優勝できなかったのは残念だが、ここまで勝ち進んだことで、粘り強いチームになってきたことは大きな収穫」と話す。 それもそのはず、この秋に結成した新チームは、公式戦では県予選から負けなしの12連勝。初黒星がこの決勝戦だった。 うち、コールド勝ちが4試合と、自慢の強力打線が目立つ一方で、接戦を制してのサヨナラ勝ちも3試合ある。 「苦しい展開の試合を乗り越え、経験を積んだからこそ、選手たちは大きく成長できた。センバツ大会に選ばれたときのことを考え、冬の間に十分な準備をしたい」と森川監督。 この冬、選手たちは甲子園を夢見て、課題の守備力を徹底的に鍛える一方、走り込みとウエートトレーニングで破壊力抜群の打撃に一層磨きをかける。 来春、さらなる成長を遂げた天理ナインの”聖地”での活躍に大いに期待したい。

(立教171年11月30日号)