(天理教の時間)
次回の
更新予定

第1405回2026年9月25日配信

伝えたい思いがある

関根健一先生.jpeg
関根 健一

文:関根 健一

第1315回

おさづけは世界共通 その2

タイに留学中のこと。身上者へのおさづけの取り次ぎを心定めしている時、教授の父親が危険な状態だと分かり…。

おさづけは世界共通 その2

タイ在住  野口 信也

 

私は22歳でタイへ2年間留学した時に、「もし、病気の方がおられるのを見たり聞いたりしたら、すぐにおさづけを取り次ぐ」ということを心に決め、帰国後も、そして一年後にタイの大学へ再留学する時にもその決心を続けていました。

その時、多くの病気の方と出会いましたが、特に症状の重い方にはできる限り毎日取り次ぎをさせて頂くために、渋滞のひどいバンコクの街をバイクタクシーで移動したり、なかなか回復のご守護を頂けず悶々とする日も多かったことなどが思い出されます。

その頃、大学二回生の時だったと思います。講義の最中、ある女性の教授が、「いま私の父親が入院中で、とても危険な状態です。試験前の大切な時期に申し訳ないのですが、来週はおそらく葬儀で休講になると思います」と話しました。

私は講義の後、先生の所へ行き、「私は天理教という宗教を信仰しています。もし良ければ、お父さんが良くなるようにお祈りをさせて頂きたいのですが」と話しました。

すると、「そんな聞いたこともない宗教に祈られて、父親が地獄に落ちたらどうしてくれるんですか」と、きつく断られました。先生が教え子にそんなことを言うのかと驚きましたが、試験前でもあり、断られて少しホッとしたのも事実です。そこで「では、家でお祈りしたいので、お父さんのお名前と住所、生年月日を教えてください」と言うと、それについては問題なく教えてくれました。

翌週、教授は休まず講義にやって来ました。講義の後、「お父さんはどんな状態ですか?」と恐る恐る尋ねると、意外な返事が返ってきました。

「実は今も意識はなく、苦しそうな顔をして、死ぬに死ねない状態です。それであなたのことを母に話したら、ぜひ来てもらいたいと言います。一度断っておいて申し訳ないのですが、来てもらえないでしょうか」。

おたすけは、話を聞いたらすぐに取り掛かることが大事だと聞かせて頂くので、その日のうちに行くとお伝えし、入院先の警察病院で待ち合わせることになりました。

案内されて病室へ行くと、教授の母親が丁寧にあいさつをして下さり、家族の紹介を受けました。聞くと、会社の社長に弁護士、医師といった社会的地位のある方ばかりでした。少し気後れしましたが、まずは天理教のお話を聞いて頂かなければなりません。

さっそく親神様・教祖についてお話を始めたところ、日本人の私がタイ語を理解できないと思ったのか、「こんな宗教は聞いたこともない。もし本当にたすかるなら、もっと有名なはずだ」と、タイ語でひそひそ話している声が聞こえてきました。

私はそれを聞いて、沸々と熱い感情が込み上げてきて、「お父さんは、いま意識を失っています。この苦しそうな顔は、家族であるあなた方に対する親神様からのメッセージです。天理教では、三日三晩のお願いで必ず結果が出ます。しっかりとお父さんのことを看てあげて下さい」と申し上げました。

そして、一度目のおさづけの取り次ぎにかかりました。病室が静まり返る中、取り次ぎを終え柏手を打つと、父親が付けていた酸素吸入器が「ガタガタ」と音を立てて止まりました。家族の方が「一回のお祈りで死ぬのか」と言い、病室は騒然となりました。教授が急いで看護師を呼ぶと、「自分で呼吸を始めていますから大丈夫です」とのことで、私は少し安心して、「では、また明日来ます」と言ってその場を後にしました。

翌日、病院に行くと、昨日までの苦しそうな顔が嘘のように、穏やかな顔で寝ておられます。意識はないものの、おさづけの最中に、少し薄目を開けてキョロキョロしています。「いい顔になりましたね」と言うと、教授が「はい、あなたのおかげです」とお礼を言って下さいました。

家族の中には、「いや、最初からこんな感じだよ」と、おさづけの効能を信じない方もおられましたが、その日は、父親に二回おさづけを取り次ぎ、会社の社長をしている教授のお兄さんも首と手首、足首が痛いとのことで、おさづけを取り次がせて頂きました。

そうして迎えた三日目、私が「結果が出る」と豪語した日です。家族が見守る中、必死におさづけを取り次ぎました。しかし変化はありません。私は、「これから24時間で結果が出ますから、しっかり看てあげてください」と言うのが精一杯でした。

翌日は26日、ご本部の月次祭の日です。タイ出張所で参拝し、大学で試験を受けましたが、その間もずっと病人さんのことが気がかりで、「今日は何と声を掛ければいいだろう、家族の人に何と言われるだろう」と、そんなことばかり考えていました。

試験の後、病院へ行く前にアパートへ戻ると、受付でメモを渡されました。そこには、「信也さんへ。本日12時頃、家族みんなが見守る中、誰も気がつかないほど穏やかに、父は息を引き取りました。本当にいい顔をしていました。ありがとう。あなたの思いはしっかりと頂きました。葬儀などのことは気にせず、今日からは試験に集中してがんばってください」と書いてありました。

緊張が一気に解けたのか、メモを読みながら、知らないうちに涙がポロポロ流れてきました。おたすけの場面では、迷ったり行き詰まったりすることもありますが、逃げずに通ることで、親神様、教祖がしっかりと受け止めてくださる。そう感じさせて頂いた出来事でした。

その後、教授に呼ばれ、「私は仏教徒なので、あなたの信仰する宗教に入信することは出来ませんが、友人を一人紹介します」と、チュラロンコンという国立大学で勤めている方を紹介してくれました。

この方は後に、大変熱心に信仰され、今ではタイ語の翻訳者として、天理教の教えをタイに広める上で欠かせない人材となっています。教授の父親のおたすけをきっかけに神様が導いて下さった、とても大切な存在です。

天理教の時間専用プレイヤーでもっと便利にもっと身近に天理教の時間専用プレイヤーでもっと便利にもっと身近に

おすすめのおはなし