毎日のように同じ行為を繰り返していると、次第に習慣化され、自ら考えて行動することを忘れてしまうものです。
この間も自動車を運転しようとして、車のキーに付属している開錠ボタンを押しましたが、ドアが開きません。何度もボタンを押し直しましたが、全く作動しないようです。
リモコンの電池切れか、自動車本体の故障でしょうか。携帯電話で自宅へ連絡しようとしましたが、車内の小物入れに放り込んだ電話機の底部が窓越しに光っているのが見えます。
途方に暮れて、電話を借りようと近くの民家を探し始めたとき、右手に持っているのが、ほかならぬ車のキーであることに気がつきました。
リモコン式の自動車のキーを使い始めたのは、わずか10カ月ほど前のこと。しかし、いつの間にか、キーを鍵穴に差し込めばドアが開けられることを忘れてしまっていたようです。 「世界ではどう言う、こう言うからこうせねばならんと思う」
毎日の生活の中で「当たり前」になっている思考の様式は、時に物事を別の角度から見直すことの妨げになります。当たり前のことが当たり前にいかないときは、もっと広く大きな視点から自分を見つめ直すことも必要でしょう。
開いたドアからシートへ体を滑り込ませながら、いつも広大な親神様の親心をもとにして、物事の意味を考えることの大切さを感じました。(岡)