
人前で話をするとき、初めに簡単な冗談を言って笑ってもらうと、その場の空気が和みます。
大きな笑いが取れたときなどは、話す側と話を聞く側の距離が一気に近くなって、まるで互いに旧知の間柄であるかのような連帯感を感じることがあります。
その一方で、なかなか笑ってもらえないときは本当につらい。時間が2倍ほどの長さに感じられます。
身近な人々を見回しても、話のうまい人は必ず受ける話題を一つか二つは持っているようです。いつもと同じ話題なのに、何回聞いても笑ってしまう。
でも、ほかの人が同じ話をしても、たぶん笑いを誘うことはできないでしょう。他人の笑顔を引き出す力は、その人のコミュニケーション能力と深く関わっているような気がします。
「何人頭数あろが、笑うて暮らせば、何にも妬み恨みは一つもあらせんで」
同じように毎日を暮らすなら、自分も周囲の人々もみんな笑顔で暮らしたい。私自身は決して冗談のうまいほうではなく、冷たく重苦しい空気を感じることもしばしばです。それでも、自分自身は、いつも笑顔でいるように心がけたいものです。それも、形だけの笑顔ではなく、心から……。
相手に心を開いてもらうためには、まずこちら側の心を開くことが大切だと思うからです。(岡)