おやのことば 10月18日

人には得手不得手があるものです。私の場合は、子供のころから手紙を書くことが苦手でした。現在でも、数カ月前に書きかけた手紙が、そのまま机の上に置いてあるありさま……。

携帯電話に登録している連絡先は、妻と兄のメールアドレスの2件だけ。仕事用のパソコンには、返信を送る準備をしたまま、送信していない電子メールがたくさん残っています。どうやら、手紙嫌いはデジタル時代になっても直らないようです。

理由を聞かれても、なぜ手紙が苦手なのか、自分でも説明することはできません。生まれつきの性分だと諦めかけていたところで、今回のお言葉が目に留まりました。

「渡りて、便り楽しみ、事情早く返事聞かしてくれるよう」

ある人が、遠く離れた土地へ出発する前に伺った「おさしづ」です。どんなに遠く離れたところへ行っても、人と人の心はつながっています。何千キロも離れた土地に暮らす人の顔であっても、目をつぶれば、すぐに思い浮かべることができます。

そして、消息を伝える便りがあれば、お互いの心のつながりを、もっと身近に感じることができるでしょう。結婚してから20年以上、妻はほぼ毎月、所属教会(実際には前会長夫人である私の母)へ手紙を送っています。その間、私自身は一度しか手紙を書いていません。次の手紙には、私の分の便箋を1枚増やしてもらうつもりです。(岡)

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