いつものように、机に向かってパソコンの画面を開き、マウスを操作すると、マウスの動きに違和感を覚えます。気になって裏側を見ると、黒く粘ついた汚れがこびり付いていました。

マウスをきれいに掃除して、あらためて作業を始めても、しばらくすると、また粘つきを感じます。調べてみると、汚れがこびり付いていたのは、マウスではなく机のほうでした。

この日の朝は急ぎの仕事があったのに、机の掃除にかなりの時間を取られました。

「芽が出る。又根から。根が無くして芽は無い。根がありて芽が吹く」

これでスッキリしたと思っていましたが、数日すると、また机が汚れています。今度は徹底して原因を調べました。どうやら、マウスの側面のゴムが劣化しており、それが自分の手に付着して机を汚していたようです。マウスの使い方を変えると、机の汚れもきれいになりました。

目の前に現れてくる出来事には、必ずなんらかの理由があります。しかし、すぐに気がつく理由の先には、また別の原因がある。さらに、その先には……。

目先の原因を解消するだけでは、事態の根本的な解決にはつながらない。同じようなことは、日常生活のさまざまな場面で経験することです。

やはり、いつも目の前の出来事の根源的な原因に、心を向ける姿勢が大切ですね。（岡）