
少し前のことですが、雨上がりの朝、レモンの木を植えた鉢を動かすと、下に敷いてあった簀の上で、白い玉のようなものが散り散りに弾けたように見えました。驚いてもう一度目を凝らすと、小さな蜘蛛の子たちが、ものすごい勢いで散らばっているのです。
何げない日常の中にも、時には自然の神秘的な姿に魅せられて深く感動することがあります。
まるで花火のように、同心円状に広がっていく蜘蛛の子の姿を見ていると、なかなか成長しないレモンの木にも、不思議な自然のはたらきと生命が宿っていることを感じます。こんなに深遠な自然のはたらきを、小さな人間の思惑で動かすことはできません。
「神の守護ありゃこそ、まあ今日も目出度い/\、皆鮮やかと言う」
原文は、身上の伺いに対する「おさしづ」ですが、いまここで与えられている親神様のご守護に感謝する心の大切さを教えてくださったものです。自分にできることは、精いっぱいの工夫をしたうえで、親神様にもたれる心が大切なのです。
私たちの力だけでは、草木一本創ることはできません。しかし、親神様のご守護に感謝しながら、身近な自然環境を守り、家族を思いやり、地域社会に働きかけていくことは可能です。
自然の神秘に思いを馳せながら、ゆっくりレモンの木の成長を見守りたいと思います。(岡)