おやのことば 9月12日

電池を背負った2体の電動式のぬいぐるみが、砂漠の真ん中を歩き続けています。

そのうちの一体は、ずっと動き続けていますが、もう一体が途中で電池切れになったようです。コテンと横になり、完全に止まってしまいました。動いているほうの一体は、動けなくなったぬいぐるみを置き去りにしてどんどん先へ進んでいきます。

これは、アメリカ留学中によく目にしたテレビコマーシャルのひとコマです。いまも疲れが溜まってくると、電池切れのぬいぐるみが動かなくなって、転がる瞬間のイメージが頭に浮かびます。

「細道でも、心に掛けば、よう通れるものや。暫く心澄まして、一寸根の方へ力を尽せ」

電池が切れたときには、新しい電池と交換するか、充電式なら充電し直さないといけません。体の疲労は、ぐっすり眠るとだいたい解消できるのですが、精神的な疲れには、静かに自分自身を見つめ直す時間が必要です。

しばらく家を空けてから、久しぶりに帰宅し、和室に祀ってある小さなお社の前に座って手を合わせると、スーッと心が落ち着いて新たな意欲が湧いてくるのを感じます。電池切れになったとき、また動きだす力を与えてくれる場所があるのは、本当にありがたいですね。

さあ、妻や子供たちにあいさつをして、明日から、また頑張りましょう。(岡)

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