おやのことば 9月10日

夏休みも終わり、新学期が始まって、来春の入学を目指す人々にとっては受験のシーズンが近づいてきました。幼稚園から大学院、海外への留学と、30年以上も学生生活を送った私は、さまざまな受験勉強を経験しましたが、その中でいつも難しいと感じたのは、机に座るということでした。

先々のことを思い悩む前に、とにかく机に向かってみる。言い換えるなら、最初の一歩を踏み出すことが大切なのです。これさえできれば、後は自然に物事が進んでいくでしょう。

最初の一歩を踏み出すということは、心に思い描いている理想や計画、不安や希望も含めて、すべてを現実に移すということです。まず一歩を踏み出さない限り、どんなに素晴らしい計画も実現することはありません。また、気になっている不安が的中することもないでしょう。最初に一歩を踏み出すという私たちの意志こそが、心の中のイメージと現実の世界とをつなぐ結び目なのです。

「日々そう\では受け取る事出けん。そこで、仕切りて思やんするがよい」

この道に導かれて親神様の思召を感じ、教祖の「ひながた」を学んで人間の本当の生き方について考えるようになる。このような意識の転換はあったとしても、自らが「ひながた」を慕い、親神様の思召を実現していくという意志を持って、その思いを行動に移していかなくては、現実には何も変わらない。すべては絵に描いた餅のままでしょう。

信仰上の理想を現実のものとするためには、「仕切りて思やんする」という人間の意志と行動が必要なのです。意志の弱い私にとっては、極めて重いお言葉です。(岡)

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