
昨夜から長雨が続いています。
もう夏の終わりでしょうか。一向に日が差しそうにない景色を窓から眺めていると、なんだか切ない気持ちになってきます。ほんの数日前までは、猛暑の続く真夏の日差しに辟易としていたのに、その暑さを懐かしく思うのは、不思議な感覚です。
過ぎ去った時間は、決して後戻りすることはありません。この季節には、いつもこの当たり前のことを実感します。真夏の夜の打ち上げ花火のように、過ぎ去った瞬間はもう二度と戻ってきません。だからこそ、いま過ぎ去っていく一瞬の時間を大切にする必要があるのでしょう。
「天然自然の道というものは、一つ踏んだら一つ、二つ踏んだら二つ、三つ踏んだら三つ。これは一寸も動かん」
夏の思い出は、いくつになっても強い印象を残してくれます。青い空に白い雲、照りつける日差しと濃色の影のコントラスト……。
夏の景色を懐かしく感じるのは、いま目の前に広がる薄墨を流したような空の色のせいでしょうか。
でも、夏が終われば次は秋の始まりです。そんなふうに考えていると、今度は秋の味覚や紅葉の景色が楽しみになってきました。過ぎ去った時間を懐かしむばかりではなく、明日に向かって今日を生きる姿勢も忘れてはいけませんね。(岡)