おやのことば 9月3日

自動車の運転をするようになって、もう25年になります。高校を卒業して、すぐに教習所で免許を取得したのですが、そのとき、教官から「凍った道でスリップをしたときには、ハンドルも、ブレーキも、アクセルも触らないように」と指導を受けました。つまり、運を天に任すということでしょうか。

車が横滑りしたときのハンドル操作は難しい。アクセルを踏むと回転が止まらなくなります。最近の車種は良くなりましたが、当時の車はブレーキを踏むとハンドルがロックされました。むしろ、何も操作しないほうが安全なのです。

北国で育った私は、それから数カ月後に実際にスリップを経験しましたが、最初はブレーキを踏んだために2回転ほど横滑りし、手足を離した後で、反対車線に出て車が止まりました。どうしようもない状況になったときに、すべてを手放し、成り行きに身を委ねる。一番簡単なことなのですが、それが本当に難しい。このときは、ハンドルの手を離しながら、心の中で神名を唱えました。何か本当にすがることのできるものがあって、初めて人は自分を捨てることができるのでしょう。

「さしづより凭れるより仕方無い。さしづより治まる処が無い」

この「おさしづ」の後半には、「人間心道は付けらりゃせん」といったお言葉が続きます。さあ、これからどうしよう、どうしたらよいか分からない、といったときには、人間思案を離れて親神様にもたれ切る。このような絶対の安心の境地を知る人は、どのような状況にあっても動じることなく、本当の意味で豊かな人生を歩むことができるのです。(岡)

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