おやのことば 7月30日

10代のころのことですが、小さなことから人間関係に悩んで、くよくよしていた時期がありました。
「他人を変えることはできないが、自分を変えることはできる。だから、まず自分を変える努力をするべきではないか」

ある人に教えられて、なるほどと納得したのですが、それでは、どのように自分を変えていくべきなのか。今思えばかわいらしい話ですが、そのときは真剣に、随分深く考えたことを覚えています。今回のお言葉を拝読していて、当時のことを思い出しました。

「いつも心に合わん気に合わんと言うて居た分にゃ、いつも心にも合わにゃ気にも合わん」

人間関係で悩んでいるときには、なかなか出口が見つからないような、閉塞感を覚えることがあります。しかし、ほんの少しの意識の転換(実際にはこれが一番難しいのですが……)によって、すべてが変わっていくのです。

「人の悪き処だけ除りて我が心包み、善き処だけ出して、何事も事治めるよう」

かつての私の結論は、このお言葉に極めて近いものでした。自分をアピールすることよりも相手の善さを引き出し、相手を責めることよりもまず自分を反省してみよう。30年近くたった今もほとんど実行できていませんが、このような気持ちだけは失わないようにしたい。あらためて、そう感じました。(岡)

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