おやのことば 7月24日

今年の短かった梅雨が始まる少し前のことです。

よく晴れた涼しい日に、庭先の芝生を刈りそろえました。久しぶりに芝生がきれいになったので、玄関から中学生の娘に声をかけました。
「草が乾いているから、はだしで歩いても大丈夫だよ」
「分かった」

返事が聞こえたと思ったら、もう外に出て芝生に寝転んでいます。最近の猛暑日とは違い、まだ初夏に入りかけたころのことです。日差しは優しく、青い空にはツバメが飛び交っていました。

あまりに気持ち良さそうだったので、思わず窓越しに質問してみました。
「生きていて良かった?」
「うん」

もちろん普段は、こんなことは聞きません。なんだかおかしな会話ですが、なぜかそのときは、自然にやりとりができました。

「この道皆嬉しい暮らすが道。よう聞き分け」

そのまま、しばらく空を眺めていましたが、だんだん空気が冷たくなってきたからでしょう。娘は知らぬ間に家に入っていました。

連日、熱帯夜が続く現在の状況を考えると、なんとも心地良い日和でした。でも、きっと今日は今日で、「生きていて良かった」と感じられることが身近にあるはずです。

やはり、今日という日に生かされている喜びを見つける姿勢が大切ですね。(岡)

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