おやのことば 7月23日

ある雨上がりの午後の出来事です。近所の石段で子供たちが遊んでいました。すると一人の女の子が、「長靴を履いている子は上がっていいよ!」と言って、石段を駆け上がりました。その後に続いて、ほかの子供たちも石段を上りましたが、一人だけ長靴を履いていない子がいます。あまり激しい雨ではなかったので、普通の靴を履いてきたのでしょう。悲しそうな顔をして、ポツンと石段の下に取り残されていました。

取り残された子供の戸惑った顔を思い浮かべると、気持ちは複雑ですが、先に駆け上がった子供たちにも他意はなかったのでしょう。また、何事もなかったかのように遊び始めました。

「長靴を履いている子」と「履いていない子」。こうした分類や区別は、私たちの日常生活の中に、いつの間にか入り込んできます。「日本人」と「外国人」、「男性」と「女性」、出身地や出身学校など……。知らず知らずのうちに、こうした差異を内面化することによって、私たちは物事を判断し、日常生活を送っているのです。

しかし、親神様の目から見れば、世界中の人々はすべて「同んなし兄弟」です。国境や主義主張の違い、性別の違いなどを超えて、すべての人に隔てはない。どの人にも「陽気ぐらし」を実現する可能性が、等しく与えられています。

「めんめん隔てる心から、隔てられるようになる」

いつも、石段の下に残された子供に手を差し伸べられるような、優しさと強さを常に持ち合わせていたいものです。(岡)

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