
幼いころから「歴史」が好きでした。年号や用語を暗記する勉強ではなく、物語としての歴史のほうです。学習雑誌の付録の歴史人物伝などは、擦り切れるほど何度も読み返したものです。
いろいろな時代や地域の歴史を学んで感じることの一つは、歴史の転換期には人々の不平や不満や怒りが蓄積され、多くの場合、それらが歴史を動かす大きな力になっていることです。蓄積された”負のエネルギー”が、しばしば時代や社会を根底から揺り動かしてきました。これは、これからの時代にも起こり得ることでしょう。
「皆日々に心の事情、心に理がある。悪心の心は強い/\。善心は一寸には弱い。弱い者は強くなる」
でも、不満や怒りだけでは、現状を変えることはできても、新たな時代を創出することはできません。強い力は何かを壊すのには有効ですが、何かをつくり上げるためには、固い信念に支えられた忍耐や努力の積み重ねが必要となります。
やはり「たすけ合い」の心こそが、歴史を動かす本当の力になると信じたい。子供のころからいつもそう考えていました。
震災の苦境の中でも、人々が互いに支え合い、被災地の復興のために世界中から善意が集結する姿を見ていると、それは決して夢物語ではないと思えてきます。(岡)