おやのことば 6月10日

山々の緑が深まり、いよいよ本格的な農作業のシーズンがやって来ました。

山間部に移り住み、農事を身近に感じるようになって分かったことは、種まきと収穫だけが農業ではなく、むしろ作物の成長段階のほうに手間がかかるということです。

田畑の草刈りや雑草取りなどは、毎日続けていないとすぐに荒れ地のようになってしまいます。それでもわが家の菜園が、まるで箱庭のようにきれいに片づいているのは、妻が休みなく世話取りを続けているからです。

「あちらへ肥差し、こちらへ肥差し、世話取りせにゃならん」

店頭に商品として並んでいる野菜ばかりを見ていると、作物の収穫の背景に、このような人々の努力と工夫があることを忘れてしまいがちです。

親神様のご守護は常に変わることなく、この世界のあらゆるところに満ちあふれています。しかし、豊かな実りを得るためには、親神様のはたらきを十分に生かす工夫も必要なのです。

春先に植えたジャガイモの種芋は、ほとんど芽を出さないのであきらめていましたが、妻が毎日せっせと足を運んだためでしょうか、どうやら少しは収穫できそうです。

親神様のご守護にもたれる心は何より大切ですが、自然の恵みを引き出す努力も忘れてはならないでしょう。(岡)

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