おやのことば 5月30日

二人の子供が高校生と中学生になり、彼らを大声で叱りつけることは、ほとんどなくなりました。

年齢を重ねるにつれて、人があまり経験できなくなることの一つは、大声で叱られることかもしれません。父や母に叱られた記憶も、もうかなり遠い昔の出来事のような気がします。

ところが先日、銭湯で体を洗っているときに、隣の人に叱られました。シャワーの使い方が悪かったのか、水しぶきを撒き散らしていたようです。

当然の指摘だったので、もちろん謝りましたが、同じ年齢くらいの人に一方的に叱られると、どうしてもわだかまりが残ります。

「心の温和し、何も言わん素直の心が、順序の道である程に」

子供のころなら、銭湯で大人に叱られても「ごめんなさい」と素直に謝ることができました。過ちや失敗を素直に認めることが、次への成長につながっていたように思います。

年齢を重ねることは、自分という器に「頑なさ」や「こだわり」を上塗りすることではありません。むしろ、必要のない飾りを取り去って、素直な心に磨きをかけることにつながるようにしたいものです。

「おさしづ」を拝読していると、自らを映し出す鏡のように、いつも深い反省を促されるお言葉に出合いますが、今回は特に身に染みました。(岡)

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