おやのことば 5月20日

ひと足早く真夏のような気温が続き、電車や建物の中はすでに冷房が効いています。なかには肌寒いほどの場所もあって、もう必要ないと思っていた上着が役立つことも少なくありません。

人間は、自らの知恵や工夫によって自然に働きかけ、時には環境を作り変えながら、快適な生活を追い求めてきました。その恩恵を受けて、夏には涼しく冬には暖かく暮らすことができ、眠っている間に目的地に着き、命を脅かす伝染病の広がりを事前に抑えるといった、古代の人々の願いを実現した豊かな世界に私たちは暮らしています。

かつて人々が神仏に求めた恩恵の多くは、現代の科学技術文明によって実現され、信仰は過去の遺物のように考える人もあるでしょう。

しかし、教祖を通して伝えられているのは、人々の願いを実現するだけの信心ではなく、私たち一人ひとりが、親神様の思召に即した本来の人間のあり方を実現する信仰なのです。

「拝み祈祷(=祷は旧字

以下同)するやなし、たゞ一寸話聞いて、成程という心なら、身の処速やかなものや」

願いごとを叶えるために「拝み祈祷」をするのではなく、教えをもとに、自分と世界を見つめ直し、親神様の思召に即した心づかいと生き方を真摯に求めるとき、鮮やかなご守護の世界に初めてふれることができるのです。(岡)

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