おやのことば 5月15日

40歳を過ぎてから、自分の誕生日を祝うことがなくなりました。

新婚のころは、夫婦で誕生日プレゼントを贈り合ったこともありました。でも、ここ数年は、誕生日が過ぎてから、すでに年を重ねたと気づくことがほとんどです。

ただ、今年は娘に誕生日カードをもらいました。手書きの似顔絵が付いたメッセージカードです。正直に言って、あまり似ていると感じられないのは、まだ自分の意識の中では20代、30代のままだと考えているからでしょうか。

「もう少し、若く描いてよ」と注文をつけながらも、優しく微笑む自分の似顔絵を見ていると、こちらの頬も緩んできます。

「親は子思うは一つの理、子は親を思うは理。この理聞き分け」

でも本当に、いつもこんなに優しい笑顔で毎日を暮らしているのでしょうか。イライラした私に文句を言われる日も少なくないはずなのに、カードの中の似顔絵は穏やかに笑っています。

似顔絵をじっと見つめているうちに、これはきっと娘の思いなのだろう、という気がしてきました。やはり、家族はいつも温かい笑顔で暮らしたい。そんな思いが込められているのでしょうか。そう考えると、あらためて毎日のあり方を反省します。

どうしても親の都合を子供に押しつけがちですが、彼らは私たちに何を求めているのだろうか。こうしたことを意識する想像力も大切ですね。(岡)

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