おやのことば 5月10日

いつものように、机の前に座ってパソコンのディスプレイを見つめていると、画面の中央に黒い染みを見つけました。すぐにティッシュペーパーで汚れを拭き取ろうとしましたが、何度こすっても落ちません。

息を吹きかけて、もう一度拭き取ろうとしました。そのとき画面の汚れだと思っていたものは、実は眼鏡に付いた埃であることに気づいたのです。

汚れているのは眼鏡ですから、いくら画面をこすっても汚れは取れません。苦笑しながら老眼鏡を外し、眼鏡拭きでレンズをきれいにしました。

曇っていたのは見ている画面ではなく、使っている眼鏡のほうだったようです。

「心配するというは心に曇りあるから」

先々のことを考えたり、他人の行いを見たりするとき、不安を覚えたり、不足を感じたりすることはよくあります。

でも、そんなときには、まず将来のことを思い描いたり、周囲を見回したりしている自分の心が曇っていないかどうか、しっかり見極める必要があるでしょう。曇った眼鏡を外して見れば、迷ったり悩んだりしている物事の原因は、案外ほかのところにあるのかもしれません。

さあ、くよくよ考え込む前に、まず朝の参拝をしましょうか。(岡)

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